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巳「今は、違うんですか。」
『……そんなわけないじゃん、』
巳「じゃあ大好き『だった』なんて言わないで。
お別れするんじゃないんですから。」
顔をあげると、あの頃と変わらない、泣きそうな顔の巳波が立っていて。
『……いいの、？』
巳「…ダメなんて、私が言えるとでも？」
『…っ』
私の目線に合わせて座って、手を差し出す巳波。
随分、大きくなったな。巳波も私も。
恐る恐る伸ばした手はすぐさま包まれて、冷えていた指先がじんわりと暖まった。
『、あ…』
巳「もう、これはいらないでしょう？」
抱きしめていたデブ猫が、あっさり取り上げられる。
巳「……私が一番なんじゃないんですか。」
『……、』
巳「笑わないでください、大真面目なんですけど。」
『っ、ふふ…うん、巳波が一番……一番だよ、っ』
クローゼットから降りて巳波に飛びつけば、程なくして背中に腕がまわる。
その瞬間、自分の涙腺が呆気なく切れる感覚がした。
そうか、思い出した。巳波が抱きついてきたあの日のこと。
私が抱きつくことはあっても、巳波から抱きしめてくれることはなかったから、だから嬉しかったんだ。
人に抱きしめられるってこんなに暖かいんだって、その時初めて知ったんだ。
『……あたま撫でて。』
巳「…あなた、このまま寝る気でしょう。」
そう言いながらも、頭に手を置いてくれる巳波は甘いと思う。
もう一世一代のチャンスだと思って、フルスロットルで甘えてしまおうか。
『だめ？もっと撫でてよ〜。』
巳「…っ」
『うっっそでしょ何その顔、』
待ってお兄さん、もしかしてこういうの弱い？？？
巳「…そろそろ普通に可愛がられている自覚を持ってください。」
『………』
今度は私が絶句する番だった。
アホ面で固まる私の頭を巳波が少々乱暴に引き寄せ、そのままぺしぺしと叩かれる。痛い痛い、巳波さん、愛情の裏返しにもほどがある。
それで満足して本当に巳波の腕の中で眠ってしまった私も、まあ単純なんだけど。
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なつめみく - わあああ凄いです！ﾐﾅﾐﾁｬｧﾝ大好きなんで助かります、！！にしても文かくの上手すぎてめちゃめちゃ読みいってた、！！ (9月30日 22時) (
レス) @page46 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます できればですがユキくんの妹の特権を書いて欲しいです お体に気をつけてくださいね (8月3日 1時) (レス) @page46 id: 8a945fb4c9 (このIDを非表示/違反報告)
koguma62(プロフ) - 完結おめでとうございます！巳波の続編読みたいです！最近熱中症で倒れる方多いので天野さんも体調に気を付けてくださいね(* ᴗ͈ˬᴗ͈)” (8月3日 0時) (レス) @page47 id: eb36b314f5 (このIDを非表示/違反報告)
ななは(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎日にやけながら読んでました。作者の部屋を見たのですが、陸くんの小説が見たすぎます...天野さんの物語の雰囲気というか語彙とかお話の進め方がすごく好みなので..とっっても書いて欲しいです...これからも応援してます！！ (8月2日 19時) (レス) @page46 id: 8319d77ff3 (このIDを非表示/違反報告)
富田菫(プロフ) - 今回の話も最高でした！続編ぜひ見たいです(*^^*) (8月2日 8時) (レス) id: cd0b8d30c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天野いろは
| 作成日時：2023年6月21日 13時
