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結局母をどうやって追い返したのかも、その後どうやって部屋に戻ったのかも覚えてなくて、気づいたら自分の部屋のクローゼットの中にいた。
狭くて暗いけど、傍にデブ猫がいるから大丈夫。実家でも、1人になりたい時はこうやって身を潜めていたのを憶えている。
ここは、かくれんぼの鬼が大得意だった巳波でも唯一、見つけられなかった場所だから。
＿＿巳「…A。」
『！』
部屋のドアの向こうから、控えめな声が聞こえた。
巳波、さっきのことだいぶ気にしてるんだろうな。大丈夫って言って安心させないと。
という気持ちとは裏腹に、声が出ない。
巳波の名前を呼ぼうとした口からは震えた息しか出ず、暗くて視界が定まらないから気付かなかったけど、
『、……？』
私、今泣いてる？
うそ、やだな、これじゃ声出せないじゃん。
デブ猫に顔を埋めて必死に息を殺していると、ドアが開かれた音がした。
巳「A…？」
先程よりもクリアに聞こえる、私の名前。
小さい頃、巳波とかくれんぼをした記憶が頭をよぎった。
＿＿A、ねぇどこ？
＿＿出てきてよ。もう降参するからぁ…
いつも負けっぱなし見つかりっぱなしだった私は、初めて弱々しく降参を訴える巳波に喜びを抑えきれなくて、そのまま巳波がお仕事に出かけるまで意地悪をして出てこなかった。
帰ってきた巳波がギャン泣きしながら私に抱きついてきた時は、なんだかすごく嬉しかったなぁ。
巳「……そのままでいいから、どうか私の話を聞いてください。」
＿＿＿＿＿まあ、今の巳波には全部バレバレなんだろうけど。
明らかにクローゼットの前に立っているであろう巳波の声に、苦笑いしながら耳をすませた。
巳「あなたに嘘をついたこと、一言も言い訳はありません。ああする以外にあなたを引き止める方法を思いつかなかったんです。」
わかってるよ。巳波は優しいもん。
巳「結果あなたを傷つけてしまったことも、謝ります。沢山怒っていいから、出てきてはくれませんか。
……迷惑だなんて思ってないから、これからもここで私と一緒に暮らしてはくれませんか。」
『……、』
そんなこと、わざわざ巳波が私に頼むことじゃないのに。
逆なのに、私が巳波に頼み込むべきなのに。
どうして昔から、私は巳波に嫌な思いをさせることしかできないんだろう。
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なつめみく - わあああ凄いです！ﾐﾅﾐﾁｬｧﾝ大好きなんで助かります、！！にしても文かくの上手すぎてめちゃめちゃ読みいってた、！！ (9月30日 22時) (
レス) @page46 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます できればですがユキくんの妹の特権を書いて欲しいです お体に気をつけてくださいね (8月3日 1時) (レス) @page46 id: 8a945fb4c9 (このIDを非表示/違反報告)
koguma62(プロフ) - 完結おめでとうございます！巳波の続編読みたいです！最近熱中症で倒れる方多いので天野さんも体調に気を付けてくださいね(* ᴗ͈ˬᴗ͈)” (8月3日 0時) (レス) @page47 id: eb36b314f5 (このIDを非表示/違反報告)
ななは(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎日にやけながら読んでました。作者の部屋を見たのですが、陸くんの小説が見たすぎます...天野さんの物語の雰囲気というか語彙とかお話の進め方がすごく好みなので..とっっても書いて欲しいです...これからも応援してます！！ (8月2日 19時) (レス) @page46 id: 8319d77ff3 (このIDを非表示/違反報告)
富田菫(プロフ) - 今回の話も最高でした！続編ぜひ見たいです(*^^*) (8月2日 8時) (レス) id: cd0b8d30c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天野いろは
| 作成日時：2023年6月21日 13時
