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柔らかく頬をつつかれている感覚に違和感を覚え、重たい瞼をこじ開けると目の前に双子の兄がいた。
『ん、ぇ…？』
巳「……」
求 : 状況説明
『どしたの〜…？』
巳「………」
『……、』
巳「寝ないで。」
『んむぅ、』
珍しく我儘だ、そして行動が意味不明。
起こしておいて何も言わないから手違いかと思って寝ようとしたのにまた起こしてきた。
巳波がこんなふうになるのは、大体作曲に行き詰まった時だけど…
『入る…？』
巳「……お邪魔します。」
『え』
いやいやいやおかしい、全然違う。スランプの時はくっついたら怒るもん。今は寧ろ自分からくっつきにいってるじゃん。
冗談のつもりだったのに私の布団は無事半分奪われ、顔の距離は拳２個分ほどに縮まってしまった。
巳「……」
『……』
み、巳波さぁん…
話してくれなきゃ私からはどうしようもないんですが。
珍しくたどたどしい巳波を目に焼き付けなきゃという気持ちと、そんなことより眠すぎるという気持ちがせめぎ合ってよくわからなくなる。
巳「A、」
『？』
巳「私の話を、聞いてくれますか。」
深刻な顔で頼まれたことは、意外と拍子抜けするもので。
それでも、だからこそ、きっと眠気まなこのまま聞いていい話ではないんだろうと直感で悟った。
『どんな話？』
巳「…独りぼっちだった男が、運命の出会いをして、屈折して、仲間と出会って……成長するというお話です。」
……。
『…スポコン漫画みたい。次の主演とか？』
巳「いいえ、少し前にクランクアップしましたよ。」
お洒落な言い回しに思わず吹き出せば、私の頬にかかった髪を巳波が丁寧に退かす。
『今深夜だから、ハッピーエンドじゃないと２割増で凹んじゃうよ。』
巳「ご心配なく、現在進行形でハッピーエンドです。」
『クランクアップしたんじゃないのー？』
巳「あら、そんなこと言いましたっけ。」
いつもより少し下手な誤魔化しも、巳波だからなのか、すごく愛おしく感じた。
『その男は今、独りぼっちじゃない？』
巳「…ええ、それもご心配なく。」
『んなら聞いてやらんこともない。』
おかしそうに微笑んだ巳波は、また私の頬を軽く撫でた。
＿＿＿＿＿そして次の日の朝。
同じ布団で眠る私たちをナギくんが写真に収めていたことは、私も巳波もつゆ知らない。
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なつめみく - わあああ凄いです！ﾐﾅﾐﾁｬｧﾝ大好きなんで助かります、！！にしても文かくの上手すぎてめちゃめちゃ読みいってた、！！ (9月30日 22時) (
レス) @page46 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - 完結おめでとうございます できればですがユキくんの妹の特権を書いて欲しいです お体に気をつけてくださいね (8月3日 1時) (レス) @page46 id: 8a945fb4c9 (このIDを非表示/違反報告)
koguma62(プロフ) - 完結おめでとうございます！巳波の続編読みたいです！最近熱中症で倒れる方多いので天野さんも体調に気を付けてくださいね(* ᴗ͈ˬᴗ͈)” (8月3日 0時) (レス) @page47 id: eb36b314f5 (このIDを非表示/違反報告)
ななは(プロフ) - 完結おめでとうございます！！毎日にやけながら読んでました。作者の部屋を見たのですが、陸くんの小説が見たすぎます...天野さんの物語の雰囲気というか語彙とかお話の進め方がすごく好みなので..とっっても書いて欲しいです...これからも応援してます！！ (8月2日 19時) (レス) @page46 id: 8319d77ff3 (このIDを非表示/違反報告)
富田菫(プロフ) - 今回の話も最高でした！続編ぜひ見たいです(*^^*) (8月2日 8時) (レス) id: cd0b8d30c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天野いろは
| 作成日時：2023年6月21日 13時
