妹の特権【棗巳波】

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そんなことがあっての夜。

部屋でラフ書きをしていると、ノックがなった。





『！』





帰るの早いなと思いつつ、急いで画材を片付けてドアを開ける。





『…おかえり。』

巳「ただいま。少し話があるので入っても？」

『え』





……何もそれらしいものは、見えてない、よね？





『い、いよ。』

巳「良かった、今朝は見覚えのない独特な世界観の薄い本がいくつか置いてあったのでびっくりし」

『わああぁっ！？！？』





しっかりバレてる！！





『や、やっぱりリビングで話そ！？それ知ってるなら尚更この部屋はやめよう！？ね！？』

巳「あれは貴方が描いたものですか？」

『違っ』

巳「ぺぺたん、でしたっけ。」

『コロシテ！！！』





ダメだ、今年一……いや人生一の失態。

既に私を見限っている両親はまだしも、この歳になってもまだ私のことを気にかけてくれた巳波にまで軽蔑されるのはどうにも耐えられそうにない。





『せ、せめて物件が見つかってからにしてください…』

巳「？追い出したりなんかしませんよ。
あなたが私の家の一室を借りて男性同士の恋情を漫画にしていたことなんて気にしてません。」

『全力で私が気にする言い方やめてよぉ！！』





今ので完全に私のライフはゼロになった。





巳「冗談はさておき、もう一度あの絵を見せていただけませんか？」

『、えっ…？』


巳「期待に満ちた目をしないでください。私にそっちの趣味はありませんので。」





ついに巳波も腐男子(こっち側)になったのかと思ったけど、そうじゃなかったみたい。





巳「もう一度言いましょうか、絵を見せていただきたいのです。」

『……あーなるほど…』





漫画ではなく絵、ね。

そういうことならBLじゃなくて普通のlogまとめに出したうちの一つとかでいいか…


ちょっとまってて、と巳波に声をかけて、一旦部屋に入った。

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