妹の特権【棗巳波】

きっかけ ページ2

・







大学の講義終わり、絶望的な顔をしながら机に突っ伏した私に友達が声をかけてきた。





「どしたA、元気ないじゃん。」

『…あのね…あの、兄弟でも絶対言えない隠し事の一つや二つあるじゃない…？』


「あんた兄弟いたの？」

『同居中の兄が一人…』

「兄と同居って珍しくない？仲良いんだね。」





＿＿＿＿＿いや、実際そこまで仲が良いわけではない。

喋ったのだって久しぶりだったし、私夜バイト入れてるから一緒に家にいることなんてほとんどないし、そもそも一緒に住むようになったのはつい最近の話である。





『その兄がさぁ……今朝私にね、言ってきたの…。』

「なんて？」

『…………』







＿＿＿＿＿絵、上手いんですね。







兄の真似をしながらそう言うと、友達の顔はどんどん強ばっていった。





「……ガチ？」

『……うん、』

「あんたの絵って、」

『そーなんだよ…』





ここで自己紹介しておこう。私の名前は棗A。

今をときめく若手アイドル『ŹOOĻ』のパフォーマーである棗巳波の双子の妹で、今は兄の家に居候という形で一緒に同居させてもらっている身である。





「…ワンチャンNLの可能性は」

『ない。家に置いてたのは全部…ていうか昨日出しっぱにしちゃってたのはモロにそれ系で…』

「それはもう災難としか言いようがない。」

『なんで昨日に限って私の部屋入ったんだよぉ…！』

「用があったんでしょ。怒んないであげてぺぺたんさん。」

『いやああああぁぁ！』





……察しが良い人はわかっただろうか。

もう一度だけ、自己紹介しよう。





私の名前は棗A。棗巳波の双子の妹。

もう一つの呼び名である「ぺぺたん」は、二次創作おなじみのPixiwで使っている名前で、





主に……えっとその、主に書いてるのは＿＿＿＿＿、









『兄に腐女子バレしちゃったよおおぉ…！！！』









ゴリゴリのBL漫画である＿＿＿＿＿！

・→←設定

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す