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拝啓、五分前の私へ。
つべこべ言わず、九条さんから逃げればよかったんじゃないですか？？
九「……」
『……』
今私は、この人と目を合わせないようにするのに必死です。
ある空き部屋に連れてこられた途端、九条さんに漂うオーラがなんだかどす黒いものに変化したので逃げようとしたが当然叶わず。
後ろはドア、両隣は彼の腕……月9ドラマのワンシーンにも見えるけれど実態はもっと悲惨だ。
ああやばい泣きそう。こんなに綺麗な顔してるのにどうしてこの人はこんなに怖い顔ができるのか。
九「泣く？」
『！』
彼の第一声を聞いて、反射的に顔を上げた。
九「いいよ、泣いて。
やめてあげはしないけど。」
『……』
九「泣くことで君が気持ちを少しでも表現できるなら、存分に泣けばいい。」
この人は一体何を言ってるんだろう。
私を泣かせようとしてこないし、かと言ってこの状況を変えようともしない。
ぐるぐると疑問が飛び交う頭を必死に整理していると、頭上から大きなため息が聞こえた。
九「わからないなら聞きなさい。」
『…っ、』
九「なんで怒ってるの、自分の何が悪かったのって、疑問に思ったなら人に聞きなさい。
君がいつまでもそうやって黙ってるから、みんなしびれを切らして君の前からいなくなるんでしょう。」
初めて聞いた声色だった。
怒る、というよりも、わかってほしいって懇願するような声。
九「怖い、悲しいって思って涙が出るなんて当たり前のことだよ。
それを悪いことって責める権利は誰にもない。」
『…い、』
彼の言葉に触発されたか、それとも条件反射か。
わからないけど、気づいたら声が出ていた。
『いた…んです、怒る人……』
九「……」
『私が、泣いてばっかり、だったから……』
九「…それで？」
予想外の返答に、また私は口籠った。
九「いつも思うけど、君は誰のことを考えてるの？」
『…？』
九「わからないなら聞きなさいって言ったでしょう。」
『ぁ、えっと……どういう、ことですか…』
…なんか、お母さんみたいな人だ。
TRIGGERの中では末っ子だったから、忘れていたけど。
面倒見のいいお兄ちゃんみたいな接し方をする彼に、いつの間にか恐怖は薄れていった。
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みっきー(プロフ) - わーん更新してくださってありがとうございます！！またたのしみがふえました♡ (1月19日 13時) (
レス) @page34 id: 39298dc62b (このIDを非表示/違反報告)
花松ロン(プロフ) - 初めまして！！初めて読ませていただきました！すごく面白いし、読んでる途中で私まで泣いてしまったりしました笑続きが読みたいです。更新待ってます！ (6月21日 10時) (レス) @page33 id: 3241c90ca3 (このIDを非表示/違反報告)
みっきー(プロフ) - 更新してくださってありがとうございます！！続き楽しみに待っていたのですごくうれしいです´`* (2022年3月5日 1時) (レス) id: cb8c8181fe (このIDを非表示/違反報告)
天馬咲希 - 続き嬉しいです！！これからも更新頑張ってください！ (2021年10月3日 0時) (レス) id: dcd6ff7333 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天野いろは
| 作成日時：2020年12月23日 21時
