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『………え?』
「だから、めんどくさいから。」
『何が?』
「Aちゃん。」
ますます意味がわからない。
『じゃあ傍にいようとしなくていいじゃん。』
「普通ならそうだよね。
でも、私にはめんどくさい人ほど輝いて見えるんだ。」
『意味わかんないんだけど。』
「じゃあそれでもいいよ。感性の問題だし。
ってあ!?これ##のプリン!?結構な値段するやつじゃん!!」
私の頭の中が疑問符で埋め尽くされているというのに、◯◯さんは呑気だ。
「……あれ?Aちゃん、これお父さんに買ってもらったの?」
『…え?』
ほら、と指差されたプリンのカップの側面には、ピンクのビニール付箋。
【Aの好きなプリンを入れておきました。
これを食べて元気出しなさい。】
じわっと、目元が熱くなった。
咄嗟にうつむくと、机に水滴が落ちる。
「えっ、Aちゃん!?
なんで泣いてるの!?」
『うるさいちょっと黙って……』
ほんと、なんでこんなことで泣くの。
めんどくさい。
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作者名:天野いろは | 作成日時:2018年6月19日 0時