蹴球女神 3

18 愛子side ページ18

「あ！アワジじゃないか！俺ドルサポなんだよ！サインもらっていいかい？」

「もちろん！」

「写真は？」

「いいよ！」

「ちょ！ハンスは俺のだからな！格好いいからってAにはやらないからな！」

「ハル五月蝿いよ」

「ハンス！Aに惚れたりしないでくれよ？俺が一番だよな？！」

「はいはい」









Aちゃんの隣で騒ぎ立てる柳さんは初めて会ったときとはガラッと印象を変えていた


そんな柳さんを無視してAちゃんはサインと写真に応えている


ツーショットに割り込もうとしている柳さんにハンスさんは冷たい




さっき私が柳さんとAちゃんの関係を聞いたのは拗らせたいとかじゃなくて、本当に友達なのかと疑問を持つくらい二人が仲良しだったのと、柳さんがうっちーに負けず劣らずのイケメンだったから


きっと日本でモデルとかやり始めたら一気に人気者になるのは確実って言えるくらいのイケメン


だからこそAちゃんが心代わりしてしまうことを危惧した



だって話を聞く限り柳さんは料理出来るし気遣いも出来るし家の事全般完璧にやれるって言ってたし…


うん。うっちーは柳さんにAちゃんを取られても何も言えないと思う



そのくらい彼は魅力的だった



まぁその可能性は今目の前で崩されたんだけど…



写真を撮り終えたハンスさんの袖を口を尖らせながら申し訳なさ程度に掴んでいる柳さんはAちゃんに嫉妬しまくっていて


でもAちゃんを睨むのではなく、すがるようにハンスさんを見上げていた









「ありがとう！あ、これお店に飾ってもいいかな？」

「あー。飾るのはちょっと…ここが人気になるのは嬉しいけどゆっくり食事できなくなるのは嫌だから…」

「そっか。じゃあ大切に家に飾るよ」

「ありがとう！」

「ハンスー…」

「はいはい。ハルは本当に自分に自信ないよな」

「だってハンスは格好いいし、元はノーマルだし、俺なんてすぐ嫌になるかもしれないって思ったら…怖い」

「はいはい。客前でそーゆうのやらないな」







柳さんの腰に腕を回したハンスさんは私達にニコッと微笑んでから柳さんを半ば連行するように戻っていく


何となく気になって目で追うとキッチンに入る直前にハンスさんは柳さんにキスをしていた


ハンスさんって柳さんが可愛くて仕方ないって顔してるんだよねぇ


なんとなく二人が羨ましく思えた


ま、何話してるかサッパリ分からなかったけど

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