蹴球女神 3

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柴田が帰ってリビングに篤人と二人



何をするわけでもなくソファに座り、ただ流れているTVを見ていた









「篤人は明日練習は？」

「昼から」

「じゃあ明日の夜、皆でご飯食べに行かない？」

「良いね。迷惑かけたしな」

「うん。………今日は泊まっていくの？」

「そうしたいけど、いい？」

「…うん。」









お風呂の準備をしてくると言ってお風呂場に行くとドキドキと心臓が音を立てているのに気づいた



怖さじゃない。篤人と居れる嬉しさからだとは思う。けど、今の私に一緒に寝る勇気があるのかと聞かれると、正直難しいかもしれない



一緒に寝るどころか今は手に触れるのも躊躇してしまう気がする



こんな状態で同居なんて出来るのかな…



今すぐってわけじゃないからそれまでに直せれば大丈夫かな




そのあとも前のように篤人と話すようにして、なるべく私の不安を感じさせないようにした









「A、その…一緒に寝ても良い？もちろん何もしない」

「…………うん」









篤人の言葉に“ついに来た！”なんてバラエティの煽りのような声が脳内に聞こえた気がして

それなりに頭は冷静にしっかり事実を理解していたし、意外と余裕もあるんだなぁってどこか他人事のように思っていた



篤人にお風呂を譲って私はTVを見ながらこれからの事を考える




篤人と縒りを戻して、また昔のように過ごすどころか今度は同居を始める事にまでなって


もしかしなくても篤人は私とゴールインするつもりがあるんだろうか？



あまり本気で考えた事のない未来をちょっと考えてみる





朝、篤人より早く起きてご飯や洗濯物をやり、未だに眠る篤人を叩き起こす


別の部屋には篤人と私によく似た子供が二人いて、寝起きは篤人ソックリで変な寝癖をつけながら篤人と歯を磨く


家族四人で朝御飯を食べながらその日の予定を確認して、身支度を整えた三人を玄関で送り出す





そんな未来に心は暖まる。


が、もしそうなったとしたら私はサッカー選手を辞めるんだろうか…



サッカーより篤人の子供を産むことを優先して、サッカーより子育てを取り、サッカー選手より母親である事を選ぶのだろうか…




篤人には悪いが、まっっったく理解できない



単に今絶好調だからそう思えないだけかもしれない。


不調に陥ったら辞めようと思うのかな？


どちらにしろ今の私にはサッカーが優先してしまう事に変わりはなかった

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