まあまあな彼女２【赤】

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やっと戻って来たヤスにも、
わざわざ聞くん変やし、って何も聞けずにおる。



どないしよかなーって、全然手につかへんまま何となくゲームを手に持ってソワソワしとった。



そしたらえらい微妙な顔のヤスが俺の隣に戻って来た。




「なぁ、渋やん」

「え？あぁ。どしたん？」

「Aちゃんな、花粉症なんやって」

「へぇ…そぉなん？」

「そんなん嘘に決まってるやんなぁ…」

「あぁ、うん…」






目立たんあの子のことを、心配したり励ましたり。
そんなんできんのが俺だけみたいに勘違いしとったけど、そんな訳あらへん。






「ちゃんと誰かに相談とかしてんのかなぁ…」





そう言いながらヤスはLINEの画面を開いた。


そぉや、ヤスとAちゃんって連絡先交換しとるんやった。





「なぁ、渋やん。何も知らんくせにおせっかいすんのって嫌がられるかなぁ？」


「…んなことないんちゃう？」





ヤス？

それな、全然おせっかいちゃうで。
お前に気遣われて、そんなん思た人おらんのちゃう？



優しさの塊みたいやもん。
物腰も柔らかいしな。

嫌がる女なんかおらんよ。




もしヤスがライバルなんかになってもーたら
今Aちゃんが好きや言うてる青空の男よりも敵わんと思う。




ふわふわして見えて、
そないに出しゃばったり目立ったりせぇへんけど、
ちゃんと芯もっとるとことか。


ヤスとAちゃん、
似てるとこあんもん。




それに、グループん中でそんなんなるんめっちゃいらんし。
それやったら俺諦めるわ。





あんまし進んでなさげなヤスの指先を目で追いながら。


ヤスのこの行動がただの優しさであってほしいんと、
Aちゃんが真に受けて惚れたりしやんといてほしいんと、


そんなことばっか考えとった。

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