61話 意地悪の心 ページ12
雪原を走り周って冬の醍醐味を堪能した四人。
空を見上げると厚い雲が流れてきた。
午後から天気が悪くなると潤が言っていた。
「そろそろ帰ろうか……」
荷物を各自分担して持つ。
「あの……俺モービルの運転を帰り道してみたいんですけど」
「いいよ。じゃ俺が後ろでサポートする！俺のバックを持ってくれる？テントを背負うから」
雅紀が直人とモービルを乗ることにした。
一番運転が慣れているのは雅紀だったから。
翔と智ペアでモービルに乗る。
「忘れ物はないね？」
雅紀が周りを見渡す。白い雪の中に忘れ物の姿はない。
直人の目の端に枝にかけたままの緑のバックが映る。
ちょっとしたイジワルだった。
そのままバックを取らずに置いて走り出す。
林の中を走った。
木という障害物を避ける。
「うまいじゃん直人君」
ちらほら雪が降り始める。
「お先にぃ！」
翔たちが先を走っていく。
後数百メートルで到着という所で直人が停まった。
「どうした？」
「雅紀さんどうしよう！俺、雅紀さんのバック置いてきてしまいました!」
「え？どこにも置いてなかったよ？」
「木にかけていたんです。大事な物って言っていたから潰されない様に」
「取りに戻るか」
直人の片方の口角が少し上がる。
「俺……午後から和也先生が構成の仕方を教えてもらう約束してて……遅れるって電話をしなきゃ」
「いいよ、家はすぐそばだから歩いて行ける？俺一人で取りに行くから気にしないで」
雅紀ならそう言うであろうことは予想していた直人。
雅紀からテントの荷物を受け取る。
「本当にごめんなさい！」
「いいから、いいから。じゃ後でね〜」
一人戻る雅紀。
燃料はもう殆んどない。
歩いて帰ってきたらいいんだ。
ちょっとしたイジワル心だった。
雪が恐ろしいものなど知らなかった、綺麗だけだと直人は思っていた。
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むつき(プロフ) - トコトコさん» 更新が中々出来ていないのに嬉しいコメントに涙が出そうです。ありがとうございます。 (2020年1月11日 22時) (
レス) id: b2ef71cdde (このIDを非表示/違反報告)
トコトコ - HOME大好きです何度も読み返して同じ所で感動して涙が出てきます。もうすぐ!終わってしまうのが淋しいです (2020年1月11日 15時) (レス) id: 1dd726fb60 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 雅さん» 読んで頂いて嬉しんです。ありがとうございます。 (2014年11月29日 19時) (レス) id: 4345b608cc (このIDを非表示/違反報告)
雅 - お話おもしろかったです (2014年11月29日 19時) (レス) id: b8b9771043 (このIDを非表示/違反報告)
むつき(プロフ) - 和雅さん» コメントありがとうございます！名前が変わっていたのは意図ではありません。むつきの頭のネジが緩んでいるせいなのです。慌てて直しました。ありがとう。全く気が付かず、一人照れ笑いしてました。もし何か変なところがあったら教えてください！ (2013年3月19日 12時) (レス) id: badd9dfabe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むつき
| 作成日時：2013年1月25日 22時
