【HQ】音駒高校バレー部所属の『王子様』には彼氏がいるそうです。【夜久衛輔】2

王子様 111 ページ28

ー貴女sideー

どうして。どうしてみんないなくなる。



『お前、可愛げがねぇんだよ』



そっか、私が可愛くないからだ。


いつもつまらない意地ばっかり張っていた。

誰の手も借りようとしなかった。

いつも1人で抱え込んでいた。

助けなんていらない、1人で充分。

そう思っていた。

実際そうだった。でも、今、隣に誰もいないことがこんなにも苦しい。寂しい。

いつからこんなに弱くなったんだろう。

貴女)｢...衛、輔ぇ...。｣

((ﾌﾜｯ

突然、誰かに後ろから抱きしめられた。

夜)｢...見つけた。｣

貴女)｢...っ！！衛、輔！！どうして...。｣

夜)｢...黒尾が、李佳の手形がおかしいって。｣

貴女)｢手、形...？｣

夜)｢あぁ。殴った後が、自分で殴ったようにしか見えねぇんだよ。｣

貴女)｢！！ぇ、じゃぁ...。｣

夜)｢うん、みんなお前を信じてる。｣

貴女)｢よか、...た...っ！！｣

夜)｢...お前は弱くなんかないよ。｣

貴女)｢...え？｣

夜)｢誰も自分ひとりじゃ辛いし苦しいし寂しい。だからもっと俺を頼ってほしい。...弱くなんか、ないよ。｣

嘘、さっきの聞かれて...。

夜)｢...ごめんな。こんな偉そうな事言って。結局俺、頼れよ、なんて言って、全然支えれてなかった。...彼氏失格だよな。お前が一番苦しい時にそばにいてやれなかった。お前の声、聞いてやれなかった。...お前の事、傷付けた。｣

貴女)｢そんな事っ、ない...っ！衛輔はいつもそばにいてくれて、私の事考えてくれてた。今だって！私、そんな衛輔が大好きだよ...！！｣

夜)｢っ！！ありがと...。こんな俺だけど、これからもずっと...

俺の彼女でいてくれますか？｣


貴女)｢...可愛くないよ｣

夜)｢うん。｣

貴女)｢男っぽいよ。｣

夜)｢うん。｣

貴女)｢『王子様』って呼ばれてんだよ？｣

夜)｢..たとえ皆がお前を『王子様』だと言っても


俺にとっては、お前は


お姫様だよ。｣

貴女)｢っ！！衛、輔！！｣

夜)｢彼女でいてくれるよな？｣

貴女)｢っ、はい...！！｣

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