ヤバ恋【S.S】 (ページ13)

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スイセン(黄)▽9月29日ページ13

翔くんと付き合って３年。

同棲して１年。

一般人の私と芸能人の貴方。

わかり合うことなんてできないと思ってた。

いつも冷静で余裕で

喧嘩しても仲直りして、

嫉妬されたり、

優しく抱きしめてくれたり

「お疲れ様」って頭撫でてくれたり

耳を赤くして好きだって言ってくれたり、

意地悪だし、負けず嫌いな所あるし、

それでもこうしていれたけど、

知れば知るほどわかってきたことも

多いんだよ。

あなたの香りは爽やかな匂い。

ここ数ヶ月は甘ったるい匂い。

『おかえり』も『おやすみ』も無くなったね。

『おはよう』も『行ってらっしゃい』も

『いただきます』も『美味しい？』って

言葉もなくなったね。

この広い部屋に独りぼっちで

電気だってついてるし、テレビもついてる。

それでも真っ暗で寒いのはなんでかな？

わかってたの。

翔くんの気持ちが離れてること。

翔くんの帰りが遅いのはその子といるから。

『離れないで』

『不安なの』

『好き？』って昔なら聞いていたのかもしれない。

いまでは

『どうして？』

『寂しい』

『……もう終わりかな』

って思ってる。

翔「たーだーいーまー」

『おかえり』

どんな顔してる？

翔「んー、れえちゃんお水ちょーだい」

『……………』

ねえ、痛いよ。私はAだよ。

翔「ねえー、れえちゃん。キスしていい？」

もう、だめだ。

心が痛いの。

悲鳴をあげるの。

翔「んー、ねむぅ」

ねえ、翔くん。

大好きなの。

でもね、もうダメみたい。

ごめんね。

縛り付けて、好きなこといたいよね。

もう終わりにするから。

荷物をまとめて合鍵をポストに。

置き手紙を残して、

あなたへの思いを連れて外へ出れば

冷たい風が私の頬を撫でる。

あれ？なんで泣いてるんだろう。

なんで今になって涙が止まらないの。

翔くん、幸せだったよ

翔くん、大好きだよ

翔くん、運命だって、最後の人だって思ってた。

さよなら、翔くん。

翔くんの心は私の元から離れていったまま
帰ってきてはくれなくて、

もう愛されてないと知り
これ以上ない胸の苦しみに。

(私のもとへ帰ってきて。もう1度愛してほしい)