乙女、恋に落ちる ページ2
「A・ガブリエラよ。」
_「汝の魂は、イグニハイド!」
「あの女生徒、イグニハイドだとよ。」
「うっわ、いいな。俺もイグニハイドなんねぇかな。」
「マジで言ってんのかよお前。」
はぁ、煩いな、私がイグニハイドなのは当たり前でしょ。
なんてったってイデア様を幼い頃からずぅっとお慕いしていたんだし!
うふふ、これからイデア様と同じ寮だなんて...
ひとつ屋根の下...ふふ、うふふ。
「うふふふふふ...。」
「うわっ、A急に笑いだしてどうしたんでござるか...?気持ち悪いですぞ...。」
「!酷いですねイデア様、私は貴方様と同じ寮に所属出来て喜んでいるだけですのに。」
もう、イデア様ったらツンデレなんだから
ふふ、可愛いなぁ。
おっといけない、しゃんと背筋を伸ばしてイデア様の隣でも恥ずかしくないようにしないとね。
「それにしても学園長はどこに行っちゃったのかしら?式の途中で飛び出して行っちゃったけど......。」
「職務放棄............。」
「腹でも痛めたんじゃないか?」
本当、学園長の姿が見えないわね。
と、その時一際大きな音を立てて会場の扉が開く。
「違いますよ!」
「あ、来た。」
扉の向こうには学園長と、何やら...猫、のような狸のような誰かの使い魔だろうか。
そのような存在が確認出来る。
それともう1人...
「まったくもう。新入生が1人足りないので探しに行っていたんです。
さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ。」
「ふぐぐー!!!」
困惑したようにあたふたと学園長の後ろでチョロチョロしている人。
こんな気弱そうな人が勝手に抜け出すなんて、信じられない。
学園長に促され度々つまづきながらも闇の鏡の前へ行く彼。
「汝の名を告げよ。」
「ぇ...あえっと、ユウ...です。」
「ッ!!...き、れい......。」
たまたま私の場所から見えた彼の瞳はとても澄んでいてこの学園じゃあまり見られない美しい瞳だった。
おまけに彼、の声は優しく包み込むようでどこか安心する。
「ユウ......
汝の魂のかたちは......
............
..................
わからぬ。」
「なんですって?」
「この者からは魔力の波長が一切感じられない...
色も、形も、一切の無である。
よって、どの寮にもふさわしくない!」
なんだろう、この気持ちは...
「どうしよう、胸がドキドキして、顔が熱くて......なに、これ。」
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