【2j3j】貴方との幸せ７【短編集】

今宵、幸せの始まりを ページ9

＊今宵、幸せの始まりを

＜配信者の貴女とガチ恋リスナーホストの話７＞


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昼下がりの駅前、平日ですらこの都会では右を見ても左を見ても、人、人、人
時間を何回も確認しながらそわそわと辺りに視線を向ける俺もそんな中の1人で…
彼女からの電話を受けてお互いのスケジュールを合わせ迎えた当日
会うのは久しぶり、気付けば待ち合わせ時間の遥か前の時間には着いてしまっていた。


「はぁ…、やば、緊張する…」


今日彼女に全てを伝える…もしかしたら今日で最後かもしれない
そう思うと、怖くて、伝えないままでもいいんじゃないかって…何度も思った。
でも彼女には何も隠したくなくて、俺のこと、全部知ってほしくて


「Aちゃん…」

『はい？』

「んぇっ？！びっくりした」

『あはは、ごめんなさい』


小さく呟いた彼女の名前に反応が返ってくるなんて思ってなくて、慌てて顔を上げると目の前にはくすくすと笑顔を浮かべる愛しい彼女の姿


「あ、えと、久しぶり…」

『ですね、お久しぶりです』

「じゃあ、ここで話すのもなんだし…行こっか」

『はい』


すっと差し出した手を自然と繋いでくれる彼女に思わず口元が緩みそうになるのをなんとか隠すとゆっくりと歩き出す。
向かう先は初めて彼女と同伴で行ったカフェ
店内に入り、案内されたのは偶然にも前回案内された席と同じで、こういうちょっとしたことにもなんだか運命を感じる。


『わ…、ふふ、前と同じ席ですね』

「あ、覚えてた？」

『もちろんですよ、あの日とっても楽しくて、ずっと覚えてますよ』

「俺も、すごく楽しかった」

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