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彼女の顔を見るのが怖い
俯かせた顔を上げられないまま只々ふたりの間に流れるのは店内のBGM
その時彼女の手がするっと抜けると今度は彼女に包まれる。
はっとして顔を上げるとそこにいるのは俺の大好きな笑顔の彼女
『実は、なんとなくそんな気はしてたんです』
「え…、え?!」
『だって、普通初めて会った時にあんなに狼狽えないですよ』
「いや、う、うぅん…」
『ふふ、…正直、もしかしたらって思った段階で、距離を置かなきゃって、思ったんです。でも、ダメでした…どうしても、湊さんのこと考えちゃって』
「そ、れ…って…」
『…わたしも、湊さんのことが好きです。ひとりの、女として、湊さんが好き…』
俺の手を包み込む彼女の手は言葉を紡ぎながら微かに震えていて、こちらにもそれが伝わってくる。
今にも泣いてしまいそうな、不安げな、心細そうな、そんな表情の彼女を今すぐ抱き締めたい
俺としては嬉しい…、しかし彼女にとってはたくさん悩ませてしまったことに間違いはないだろう。
彼女は配信者、それも大きな事務所に所属してる…たくさんのリスナーに囲まれて、そんな中の1人と付き合うなんて、周りからしたらとんでもない贔屓、1人を特別視してるようなもの…簡単には祝われないであろう関係
いっぱいいっぱい悩ませて、考えてくれて、導き出した彼女の答え
不安に押しつぶされそうな彼女の瞳にそっと指を添えると溢れそうな涙を拭う。
「ありがとう、いっぱい悩ませちゃってごめんね」
『ふ…、う…』
「好きだよ、Aちゃんが好き、大好き…」
『…わた、しも…っ、好き…』
「うん、ありがとう…選んでくれて、好きになってくれて、ありがとう」
瞳から溢れてくる涙を何度も拭い、笑顔に戻ってくれた彼女と手を繋いで店を出ると初めて俺の家に連れていった。
付き合った瞬間家に連れ込むなんて、って思ったけど、どうしても早く彼女を抱き締めたかった。
部屋に入って抱き締めるとお互い求めるように唇を重ねた。
離れていた時間を埋めるように、深く、熱く…崩れそうになる彼女を支え何度も何度も…
「Aちゃん…Aちゃん…」
「俺を選んでくれて、好きになってくれて、ありがとう」
「ずっと、ずーっと…君のこと離さない…」
「幸せになろう、二人なら…大丈夫だよ」
「Aちゃん…、愛してる」
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aKa(プロフ) - サイコロパンさん» いつもコメントありがとうございます!うちのfwくんの言い回しはまさしくその通りで純粋且つ黒い感情が入り混じっていれば、と思って動かしています。気付いて大好きと言っていただけて嬉しいです、ありがとうございます!これからもまったりと更新していきます! (2022年8月8日 22時) (レス) id: 7ba2c9d64a (このIDを非表示/違反報告)
サイコロパン(プロフ) - 何度もコメント失礼致します。いつも素敵なお話をありがとうございます。度々出てくるfwくんの「ずっと一緒」というフレーズが、純粋な気持ちと不穏さ厄介さがいい感じに滲み出てて大好きです!更新を楽しみにしつつ、これからも応援しております。 (2022年8月6日 1時) (レス) id: 03716361f5 (このIDを非表示/違反報告)
aKa(プロフ) - サイコロパンさん» ありがとうございます!皆様からの評価やコメント等々でまた続編が書けました!これからもホス姫をよろしくお願いいたします! (2022年5月26日 23時) (レス) id: 7ba2c9d64a (このIDを非表示/違反報告)
サイコロパン(プロフ) - 続編おめでとうございます!そしてありがとうございます。これからもホス姫てぇてぇしながら応援しております! (2022年5月24日 22時) (レス) @page3 id: bb0450953c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:aKa | 作成日時:2022年5月23日 23時