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油断した。最初に倒したと思っていた男が意識を取り戻し、バットで殴りかかってきたのだと分かった。頭から血が流れるのを感じる。衝撃のせいか、フラフラとして足元がおぼつかない。
そうしているうちに、起き上がった男2人に腕を掴まれ、身動きが取れなくなった。顔、腹、至る所をバットで殴られ、鮮血が宙に舞う。
「ハハッ!ひっでー有様だなぁ!」
声も出せず、息をするのがやっとだ。腕を掴む男2人を振り払おうにも、もうそんな力なんて残っちゃいない。
そもそも、男と女では力の差がありすぎる。だから私は、力じゃなくて攻撃する身体の箇所とスピードを持ってして喧嘩に挑む。この怪我では、サンドバックにされるのがオチだ。いや、このままだと回されるんだっけか。
「今までの分、たっぷり身体でお礼してやるよ」
ブレザーに手をかけられ、身の危険を感じると共に、怒りで身体を奮い立たせた。
「ブッ!!」
「触ってんじゃねーよ!!」
朦朧とする意識を覚醒させ、渾身の蹴りを金的にお見舞いしてやった。膝をつくものの、すぐに起き上がった男に殴り返される。
「予定変更だぁ、全身の骨折って回してから病院送りにしてやるよ…!!」
やっちまえ!という掛け声と共に、倒れていない数人が襲いかかってくる。
さすがにヤバい、と思った瞬間、意外な人物の声が辺り一帯に響き渡った。
「楽しそーなことしてんじゃん、オレも混ぜてよ」
肩にかけた学ランが風に
「メール送ったのに全然返事来ねーから来てみれば、ボロボロじゃん、A」
「…遊ぶ時は前もって連絡してっていつも言ってるでしょ、マイキー」
東京卍會総長、佐野万次郎。通称マイキー。圭ちゃん繋がりで知り合った、私のもう1人の幼馴染だ。今日はドラケンは一緒じゃないようだ。
「マイキーって、あの…!?」
「やべーんじゃねーかこれ!!」
近づいてくるマイキーを見て怖気づいた男たちが悲鳴にも似た情けない声をあげる。腕を掴んでいた男から気持ち悪いほど震えが伝わってくる。
「ま、今日に限ってはピンチのところに駆けつけたんだし、いーじゃん」
あとでパフェ奢りね♡、と言ったマイキーは、目にも留まらぬ速さで手前の男に回し蹴りを喰らわせた。
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ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます!この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です! (2021年8月20日 1時) (レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして!次の話をワクワクしながら読ませていただいてます!本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです!語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリーショート | 作成日時:2021年8月18日 3時