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09. ページ9

油断した。最初に倒したと思っていた男が意識を取り戻し、バットで殴りかかってきたのだと分かった。頭から血が流れるのを感じる。衝撃のせいか、フラフラとして足元がおぼつかない。


そうしているうちに、起き上がった男2人に腕を掴まれ、身動きが取れなくなった。顔、腹、至る所をバットで殴られ、鮮血が宙に舞う。


「ハハッ!ひっでー有様だなぁ!」

声も出せず、息をするのがやっとだ。腕を掴む男2人を振り払おうにも、もうそんな力なんて残っちゃいない。

そもそも、男と女では力の差がありすぎる。だから私は、力じゃなくて攻撃する身体の箇所とスピードを持ってして喧嘩に挑む。この怪我では、サンドバックにされるのがオチだ。いや、このままだと回されるんだっけか。


「今までの分、たっぷり身体でお礼してやるよ」

ブレザーに手をかけられ、身の危険を感じると共に、怒りで身体を奮い立たせた。


「ブッ!!」

「触ってんじゃねーよ!!」


朦朧とする意識を覚醒させ、渾身の蹴りを金的にお見舞いしてやった。膝をつくものの、すぐに起き上がった男に殴り返される。


「予定変更だぁ、全身の骨折って回してから病院送りにしてやるよ…!!」

やっちまえ!という掛け声と共に、倒れていない数人が襲いかかってくる。


さすがにヤバい、と思った瞬間、意外な人物の声が辺り一帯に響き渡った。


「楽しそーなことしてんじゃん、オレも混ぜてよ」

肩にかけた学ランが風に(なび)いている。金色の髪を揺らしながら近づいてくるその人物はよく見知った奴で、呑気にどら焼きを頬張っていた。


「メール送ったのに全然返事来ねーから来てみれば、ボロボロじゃん、A」

「…遊ぶ時は前もって連絡してっていつも言ってるでしょ、マイキー」


東京卍會総長、佐野万次郎。通称マイキー。圭ちゃん繋がりで知り合った、私のもう1人の幼馴染だ。今日はドラケンは一緒じゃないようだ。


「マイキーって、あの…!?」

「やべーんじゃねーかこれ!!」


近づいてくるマイキーを見て怖気づいた男たちが悲鳴にも似た情けない声をあげる。腕を掴んでいた男から気持ち悪いほど震えが伝わってくる。


「ま、今日に限ってはピンチのところに駆けつけたんだし、いーじゃん」


あとでパフェ奢りね♡、と言ったマイキーは、目にも留まらぬ速さで手前の男に回し蹴りを喰らわせた。

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ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます!この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です! (2021年8月20日 1時) (レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして!次の話をワクワクしながら読ませていただいてます!本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです!語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください!応援してます! (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベリーショート | 作成日時:2021年8月18日 3時

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