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帰る、と言って教室を出ようと背を向けると、ガンッと殴られた衝撃が頭蓋骨に響き渡った。耐えきれず、正面から教室の床に倒れ込んだ。歪む視界が捉えたのは、
「てっ…めぇ！！」
「これで満足に動けないだろ？既成事実を作ってしまえばこちらのもの…」
素早く身を半回転捻り、カッターシャツに手をかけようとしてきた男の顔面を思い切り蹴り飛ばした。
「痛っ…！！」
「後ろから武器で殴るとか汚ねぇマネしやがって…！テメェとは喧嘩で踏んできた場数が違うんだよ！！」
とはいえ、完全に不意打ちで殴られたため意識を保つのが精一杯だ。最近は喧嘩してないから体が鈍っている。下手に押さえつけられでもしたら終わりだ。
「クソッ…殺してやる！！」
男が懐から取り出したのは折りたたみナイフだった。なんて物持ち歩いてやがんだこいつは。
刺される覚悟で立ち向かおうと覚悟したその時。教室の扉がガラッと勢いよく開いたかと思うと、入ってきた人物が男に向かって勢いよく飛び蹴りをかました。
「ぐあっ…！」
蹴り飛ばされた男は勢いのまま机の山にぶつかってもがいている。飛び蹴りをかました人物はスッと姿勢を元に戻すと、こちらに向かって振り返った。
「Aさん！！大丈夫っスか！？」
「ち、ふゆ…？なんでここに…」
助けてくれたのは、千冬だった。私に駆け寄り、もう大丈夫ですと言って安心させるように微笑んでくれた。
「ここ、2年の教室がある階ですから。怒鳴り声が聞こえたんで気になってきてみれば、Aさんの姿が見えたので」
間に合って良かった。そう言って千冬は優しく抱きしめてくれた。それに安心して、助けに来てくれたことが心底嬉しくて。ポロポロと涙が溢れてきた。
「千冬ぅ…ありがとう…！」
千冬の背中にそっと腕を回して抱きついた。情けない泣き顔を見られたくなくて肩に顔を押し付けてしまったため、千冬のシャツに涙が染みてしまった。それでも千冬は、微笑んだまま手を離さないでいてくれた。
「クソ…2年のガキが…！邪魔するなっ！！」
起き上がった男がナイフを片手に向かってきた。千冬はスッと立ち上がると、走ってくる男の腕を素早く掴み上げ、そのまま床に叩きつけるように男を投げ倒した。
「がっ…このっ…」
「Aさん泣かせるなんて、オレが許さねぇ。2度とそのツラ見せんな」
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ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます！この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です！ (2021年8月20日 1時) (
レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして！次の話をワクワクしながら読ませていただいてます！本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです！語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベリーショート | 作成日時：2021年8月18日 3時
