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『好きです』
手紙にはたった一言、そう書かれていた。封筒をよくよく見てみれば、後ろに小さく差出人の名前が書かれている。ただの悪戯かと思ったが、そうでもないらしい。これは、
「へぇ…物好きもいるもんだな」
だからといって、知らない奴と恋仲になるつもりなんてさらさらない。というか、話したこともないのに好きになるなんてことあり得るのだろうか。尚更アホくさくなる。
周りに人がいないことを確認した後、近くのゴミ箱に小さく破いた後、手紙を捨てた。正門のところで待ってくれている圭ちゃんと千冬を見つけて駆け寄った。
.
「お前Aのこと好きなのか？」
「…え、えっ！？」
昼休憩、場地さんに連れられて屋上に来てみると、開口一番にそう問われた。突然のことに頭が追いつかず動揺していると、どうなんだよ、と催促される。
「…好き、ですよ」
「恋愛的な意味でか？」
「…はい」
恥ずかしくなりながらも、そう答える。しばらくオレの顔をじっと見つめていた場地さんだったが、安心したような表情を浮かべた後ニッと歯を見せて笑った。
「やっぱりな！そんな気がしたわ！」
「えっ！オレそんなに分かりやすかったですか！？」
見てれば分かるぜ、と場地さんが言う。そのことにも恥ずかしさを覚えて思わず俯いてしまった。尊敬する場地さんだからこそ尚更だ。
オレはAさんが好き。けれど、大きな問題がある。場地さんはAさんのこと、どう思っているのか。
「…場地さんは、どうなんスか…」
もし、場地さんがオレと同じ気持ちをAさんに抱いていたらどうしよう。オレは場地さんのことを尊敬している。けど、Aさんのことを諦めるのは嫌だ。
オレと場地さんの間に、静かな緊張感が漂っていた。握りしめた拳にさらに力を込めて言葉を待つ。答えを聞くのが、この上なく怖く感じた。
「オレがアイツのことどう思ってるかって？」
ようやく、場地さんの目を見ることができた。その表情は、とても穏やかなものだった。
「アイツは…Aは幼馴染だ。人間としては好きだが、女としては見てねぇよ」
だから安心しろ。場地さんの言葉に、フッと全身から力が抜けた。良かった。オレは、Aさんを好きでい続けてもいいんだ。安心して顔を緩ませていると、ただ、と場地さんが言葉を続ける。
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ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます！この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です！ (2021年8月20日 1時) (
レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして！次の話をワクワクしながら読ませていただいてます！本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです！語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベリーショート | 作成日時：2021年8月18日 3時
