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「なっ…！」
「千冬くん、顔真っ赤」
ふふ、と思わず笑いをこぼした。街灯に照らされていてよく見える。一瞬のうちに千冬くんは顔から火が出そうなくらい真っ赤に染め上がっていった。頭を撫でられることに耐性がないのか、はたまた別の理由なのか。
見ないでください、と顔を隠そうとする仕草がなんとも可愛らしかった。その反応が初々しくて、なんだかこっちまでドキドキしてくる。
「迷惑じゃなければ、これからも暁のこと可愛がってやってよ。アイツは母親の顔も知らないし、兄貴がいなくなってからずっと寂しがってんだ。それにアイツ、千冬くんのこと気に入ったみたいだし！」
生意気なこと言ったらデコピンでも喰らわせてやって！と言いながら、千冬くんに向かって笑いかけた。心臓の鼓動がうるさい。それを悟られたくなくて、必死に意識を逸らそうとした。
「もちろんっス！」
また今度みんなで遊びましょう！と火照りが消えていない笑顔で千冬くんは言ってくれた。その言葉に嬉しくなって、私は強く頷いた。
千冬くんを玄関の前まで送り、手を振った。ドアを開けた瞬間、帰りを待ち侘びていたのか、ペケJが千冬くんの足元に飛び出してきた。
「はは、なんだよ寂しかったのかー？」
千冬くんは屈み込むと、ペケJの顎の下を撫でてやっていた。それに満足したように、ペケJはゴロゴロと喉を鳴らす。
私もつられて屈み、そっとペケJの背中に手を滑らせる。サラサラの黒い毛並みが、なんとも言えない触り心地の良さを感じさせた。
「また、千冬くん家に遊びに行ってもいい？」
ペケJの毛並みがなんだか名残惜しくなり、千冬くんにそう聞くと、はい！と快く受け入れてくれた。圭ちゃんに猫グッズ借りよう、と心の中で呟き、今度こそ千冬くんと別れる。ペケJを抱えて家の中に入っていくのを確認した後、私も階段を上って自分の家に帰った。
「…あれ？
子供部屋の電気がついているのが目に入り中を覗くと、暁は折り畳み式の机に宿題を広げて私を待っていた。
「うん。姉ちゃんに算数の宿題見てもらおうと思って」
これ合ってる？と聞いてくる暁に近づき腰を下ろした。私に確認してもらうために、わざわざ待ってくれていたらしい。算数のドリルは授業内で答え合わせをするため、間違いがあるまま学校に行きたくないという。
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ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます！この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です！ (2021年8月20日 1時) (
レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして！次の話をワクワクしながら読ませていただいてます！本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです！語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベリーショート | 作成日時：2021年8月18日 3時
