03. ページ3
ざわざわ…。
圭ちゃんのいない学年は、なんだか落ち着かなかった。圭ちゃんを含めた昔からの友達は不良ばかりだし、かくいう私も不良というレッテルを貼られているため、同級生から奇異の目で見られるということは避けられないのである。
さらにいうと、私は圭ちゃん以外に仲の良い人間がこの学校にいない。ようするに、寂しくて暇なのである。
放課後になり、2年生の階から抜け出し圭ちゃんのいる1年生の階へと足を運ぶ。つい最近まで使っていた1年生の教室がなんだか懐かしく感じた。
「圭ちゃん、確か3組って言ってたっけ…」
教室にたどり着き、そっと覗いてみると、目を疑う光景が広がっていた。
「え、嘘…もしかしてアレが圭ちゃん！？」
机に向かって何かを必死に書き綴る髪の毛ぺったりのメガネ姿は、ガリ勉という言葉がお似合いなほど異質だった。思わず二度見してしまったが、あのガリ勉は間違いなく圭ちゃんだ。去年までとの変わりように度肝を抜かれ、ヘナヘナと床に座り込む。
そして、圭ちゃんの他にもう一人いることに気がついた。
「わっ…圭ちゃんが不良に絡まれてる…！」
見たことない人物だったため1年生だとわかった。金髪のリーゼントが、時々机上を指差しながら圭ちゃんと会話しているではないか。
しかし争っている様子はなく、むしろ笑顔になっている圭ちゃんを見て心配する必要はなさそうだと感じた。その場の雰囲気にこちらまで微笑ましくなると同時に、圭ちゃんを取られたような気がして金髪リーゼントに少しのジェラシーを感じた。
『今日は先に帰るね。明日は一緒に学校行こうね』
なんだか邪魔をしてはいけない気がして、携帯をいじり圭ちゃんにメールを送る。気づかれないように学校を出ると、深くため息をついた。
「なーんか、最近圭ちゃんに会えてないなぁ…」
誰に届くこともなく、そんな呟きは空へと消えた。親離れならぬ、幼馴染離れをしろとでもいうのか神様は。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 83人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます！この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です！ (2021年8月20日 1時) (
レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして！次の話をワクワクしながら読ませていただいてます！本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです！語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ベリーショート | 作成日時：2021年8月18日 3時
