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「暁と約束したんで、詳しいことはオレの口からは言えないっスけど。でもアイツ、Aさんには幸せになって欲しいって言ってました。それだけ、Aさんのこと大事に思ってるんスよ」
だから自分を責めないでください、と千冬くんは言った。暁がそんなふうに思ってくれていたなんて。驚きとともに、じんわりと嬉しさが胸いっぱいに広がっていった。
「…そっか、そうだったんだね。ありがとう、なんか元気出た！」
なんだか憑き物が落ちたように、スッキリとした気分になった。圭ちゃんやマイキーにしか話したことないことも、千冬くんになら話せる気がした。
「兄貴はさ、見ず知らずの女の子庇って、飲酒運転のバイクに
目を瞑れば、脳裏に蘇る兄ちゃんの記憶。今思えば、マイキーのお兄さんの真一郎くんとどこか似ていた。
大して喧嘩も強くないのに不良とトラブルし、バカやって怒られてばっかりだったけど。私と暁のことを何よりも大事に思ってくれていた。私は兄ちゃんの、太陽みたいな笑顔が大好きだった。
「私は兄貴みたいにはなれないけどさ。兄貴の分も、暁のこと守るって決めたんだ。いつか暁の口から本当のこと聞けたら、クソガキ共まとめてビンタしてやる！アイツには、私みたいになって欲しくないしさ！」
なんてね、とイタズラっぽく笑ってみせた。それまで黙って話を聞いてくれていた千冬くんも、フッと笑みを見せてくれる。
「お兄さん、カッケェ人だったんスね。Aさんも、十分立派な姉貴ですよ」
なんか上から目線ですみません、と言って笑う千冬くんに、つられて私も笑顔になる。一緒にいてこんなにも胸が高鳴る人は初めてだった。千冬くんと出会えて本当に良かったと思えた。圭ちゃんには、感謝してもしきれないな。
「遅くまで引き止めて悪かったね。でも、千冬くんに話して良かったわ！」
「…！オレも、Aさんと話せて良かったです！」
カレーもごちそうさまでした！と言って笑う千冬くん。本当に可愛らしい笑顔をしている。つい嬉しくなって、暁にしているみたいにわしゃわしゃと頭を撫でてみる。
「わっ…！Aさん！？」
「あはは、ごめん。千冬くんが可愛くって、つい」
ゆっくりと手を離した後、パーカーのポケットに両手を突っ込んだ。さっきまで肌寒かったはずが、今はとてもあたたかい。
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ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます！この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です！ (2021年8月20日 1時) (
レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして！次の話をワクワクしながら読ませていただいてます！本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです！語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベリーショート | 作成日時：2021年8月18日 3時
