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Aさんの腕にできたアザに湿布を貼っていると、当然のごとく距離が近くなるわけで。Aさんのような美人の近くに寄る機会なんてそうそうない。自分で切り出したことなのになんだか緊張してしまい、恥ずかしさが込み上げてきた。
またしてもそれを悟られないようにしながら、できました、とAさんに声をかけて立ち上がる。ありがとう、と微笑むAさんを見ていると、自然とオレも笑い返していた。
この人を引き止めて手当てして良かったと心の底から思えた。
その後はAさんも一緒にペケJと遊んだり、3人でゲームをしたりして時間を過ごしていた。楽しい時間が過ぎるのがあっという間で、時計の針が20時を指していることに気がつきこの日はお開きとなった。
なんだかんだありながらも、Aさんとの距離も少しずつ縮められた気がする。Aさんの笑顔を見るたびに、心臓が跳ね上がるような感覚に襲われることは、しばらく慣れそうにないが。
.
あれから何日か経った日のこと。
いつものように通学路を歩いて帰宅していると、近所の空き地で何やら小学生が騒いでいるのを見つけた。
「お前、貧乏のくせに学校来てんじゃねーよ！」
「ちゃんと毎日風呂入ってんのかよ！？気持ち悪い！」
単なるガキの喧嘩なら放っておくこともできた。しかし、数人がかりで一方的に蹴られ、殴られている男の子を見た途端に、あの日のオレやボロボロになって帰ってきたAさんが脳裏に浮かび上がってきた。
「おい！！何やってんだ！！」
見て見ぬ振りなんてできなくて、オレは集団に向かって近づきながらそう叫んだ。少し睨みを利かせてやると、小学生の集団は震え上がりながら尻尾を巻いて逃げ出した。
「おい、大丈夫か？」
取り残された男の子に近づくと、膝を抱えて
「いてっ！」
「不良の助けなんか、いらない！！」
顔を上げた男の子の目には、大粒の涙が溜まっていた。蹴られた全身は泥まみれになっていて、顔や手足にはかすり傷もできている。さらに男の子の周りには、投げ出されたランドセルの中身が散乱していた。その持ち物には、"貧乏人"、"学校に来んな"などの文字が。継続的ないじめを受けているのだと分かった。
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ベリーショート(プロフ) - seayouさん» 素敵なコメントをくださりありがとうございます！この作品は絶対完結まで持っていこうと思うので、最後までお付き合いしてくださると光栄です！ (2021年8月20日 1時) (
レス) id: 2d5afa7553 (このIDを非表示/違反報告)
seayou(プロフ) - はじめまして！次の話をワクワクしながら読ませていただいてます！本当に面白くて、次の話を読むのが楽しみです！語彙がなくてこの素敵な作品を「面白い」としか表現できない自分が憎いです…これからも頑張ってください！応援してます！ (2021年8月19日 23時) (レス) id: 7ae5cb69bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ベリーショート | 作成日時：2021年8月18日 3時
