( 続 ) 温 度 差 ℃ ___ Reo . S

91℃ ページ41

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数週間後

私のお隣さんは 空き家になった


この前、玲於くん家で荷造り手伝ってあげたのに

ホントに引っ越しちゃったんだ … なんて改めて思う





「 淋しいな、やっぱり 」





いつでも会える距離にいたのに

いざ居なくなっちゃうと 虚しくて淋しいよ



あの報道もやがて世間は忘れ去って

それに比例するように玲於くんはどんどんメディアへの露出が増えていって


色んな番組出て、ほんとに彼の名前をよく聞くようになって



私の彼氏だなんて

夢でもみてるんじゃないかってくらい


ほんとに遠くに行っちゃったみたい






「 私も、引っ越そうかな … 」




この部屋に居ると 思い出すの

まだ私の部屋には玲於くんの痕跡がいっぱいあるし

ベランダに出れば、お話した時の事も思い出して余計に逢いたくなっちゃう



玲於くんが迎えに来てくれるまでは

大人しく待つって決めたの





玲於くんの居ない生活は淋しいです


洗濯物を取り込み忘れてる時に 教えてくれる人が居ないのは困るし


ゴキブリが出た時に、二人してキャーキャー言いながら

退治してくれる人が居ないと 私泣いちゃうよ







「 … 玲於くん、お元気ですか。」





昨日買った週刊EXILEを読みながら

誌面の玲於くんにそう話しかける

連絡は、取ろうと思えば取れるし

LINEだって毎日、ちゃーんと返ってくるけど





今じゃ私と玲於くんは


ただのファンと芸能人みたい







…







「 部屋を探してるんですけど 、」




都内の不動産屋に何軒か行った


職場に近くて 女性の一人暮らしにも安心できて

欲を言えば今の部屋と 間取りは似たようなものが良くて


根気よく探してたら、私の条件にあったマンションは 運良く見つかった







A玲於くん。私も近々引っ越すことにしたよ


玲於くんまじで?じゃああの部屋にはもう行っても会えないのか


Aあの部屋に居ると、玲於くんと一緒に居た日の事が忘れられなくて。逢いたくなっちゃうから


玲於くん引っ越しても俺は毎日Aの事考えてる

玲於くん1日も忘れた事はないよ







逢えなくたって 離れてたって

私の心を掴んで離さない




やっぱり貴方はずるい人だ







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