4話 ページ20
ｿﾞﾛ「お前はいつもそうだ、人を頼ろうとしない…
突っ走って、なんでも1人で解決しようとする
それで今までやって来れてんのは、
お前の並ならねぇ努力と技量だろうな
だが…お前はもう1人じゃねぇだろ
お前の肩書きは、島殺しってだけか？
…違ぇだろ、今は"麦わらの一味"の
リシャール・D・Aだろ…！
お前が仲間を失うのを嫌うように、
俺たちもお前を失うのは嫌なんだよ！」
彼女は今まで仲間という言葉が嫌いだった
都合が悪くなれば切り捨て、切り捨てられる関係だ
必要以上の馴れ合いは、彼女の中ではご法度だった
それ故、冷徹に、無感情で青年期を育ってきた彼女は
他人から与えられる愛情が恐ろしかった…
天涯孤独になったのは5歳
まだ十分な愛情も注がれずに育ってしまった…
幼い彼女は早く大人になろうと背伸びをした
精神を磨き、知恵を身につけ、忍耐を学んだ
だからこそ、無償の愛情を知らなかった
愛情を、何かの代償だと、そう思っていた…
自分がやらなきゃ捨てられる…自分が…自分が…
彼女は無意識にして、他人に尽くす
それが愛情を受ける資格であるかのように…
大人の仮面が剥がれた彼女は、こんなにも幼い…
『でもこれは…"僕"の問題で…』
ｿﾞﾛ「それに関しちゃ口出ししねぇよ…
自分でケリつけるためにやってんだろ？
毎年律儀に花と酒用意して、寝ずにいんだろ？」
実の所夕食後に、ゾロはキッチンへ行っていた
ゾロが来ることを分かっていたように、
サンジはゾロを椅子に座らせ、今日の事を語った
全てを話終わると、ゾロが立ち上がるのに合わせ、
1つ、煙草の煙を吐き出すと、船尾と答えた
キッチンを後にするゾロの背中に、サンジの
"俺はレディーの泣き顔は見たくないんでね…
お前のとこで、今日くらいは泣かせてやれよ"
という言葉は、ハッキリ届いていた…
ｿﾞﾛ「別に俺たちは切り替えろとか、
無理に前向きに生きろなんて思っちゃいねぇ
ただ、Aがキツい時は支えてやる…
それを迷惑と思う奴はいねぇ
だから俺たちを…仲間を信じろ」
普段は口下手な、ゾロからの精一杯の投げかけ…
真剣で、少し悲しみを含んだ彼の瞳…
不思議と彼女の心にストンと落ちた
『ゾロ…苦しい…』
ｿﾞﾛ「おう」
『苦しくて、痛くて…怖い…』
彼女の故郷が無くなった日…
彼女が、彼に初めて…弱音を吐いた日…
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白銀幸成(プロフ) - すみません、外し忘れです。ご指摘ありがとうございます。 (2020年4月17日 20時) (
レス) id: d7991ec165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年4月17日 1時
