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epi 7 ページ8

部屋に戻ると、どっと涙が溢れてきた。





教官、なんでこんなに優しくしてくれるんですか?





小牧教官も堂上教官も、笠原や柴崎も、図書隊の人はみんな優しい。





ここにいた時の母は幸せだっただろう。





私が高校生の時、母は1年という期限付きで良化隊から図書隊に潜り込んだ。





図書隊の情報を良化隊側に流すために。





母方の父は良化隊の上層部の人間だった。





良化隊に当然のように配属された母は大好きな本の扱いに心を痛め続けていた。





家では私に本を愛することを教えてくれた。





図書隊にいた1年間は楽しそうにも見えたが、辛そうでもあった。





「有希は、ママみたいになったら駄目だから」





1年の図書隊期間を終え、良化隊に戻ったある日の朝、母は私にそう言った。






それが母との最後の会話だった。






母が飛び出したことによる交通事故だった。

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作者名:yuki | 作成日時:2020年4月11日 1時

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