黒猫の思惑 ページ5
文字数の都合上こちらに書きます。
このお話は前作【ky】硝子のお姫様【短編集】の｢それが禁忌と知りながら｣の続編です。
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｢俺の友達の、キヨくん｣
そう言ってレトさんが紹介してきたのは、
｢…っ、｣
Aちゃんだった。
運命だと思った。
神様のいたずらか、はたまた俺へのご褒美か。
釣り上がりそうになる口角を、必死に抑える。
俺を見てあからさまに狼狽するAちゃん。
その姿を見て、俺の中の何かしらのスイッチが入ったのだろう。
｢初めまして｣
過去形なんかに、させてたまるか。
Aちゃんとは、今初めてあった。
前の夜のことは、無かったことにするんじゃない。
あの日を、俺たちのスタートにしよう。
怯えた顔で俺を見つめるAちゃんが、可愛いかった。
食べてしまいたいくらい。
.
｢お願い、旦那には言わないで｣
トーク画面に表示された文章に、俺はニヤけが止まらなかった。
まるでそういう類の漫画のようなそのセリフに、少なからずの興奮を覚える。
あぁ、そそるなあ。
｢お願いします｣
俺が既読をつけて返信に悩んでいると、続け様にメッセージが来る。
Aちゃんは、馬鹿だなあ。
俺達はあくまでも共犯なのに。
ましてや、女性側ともなれば、1回くらいなら無理やり襲われたで言い訳が出来そうなものなのに。
自分が悪い、と思っているのか、Aちゃんは下手だった。
｢とりあえず話したいからさ｣
｢うち来てよ｣
さて、なんて返事が来るか。
既読が着いてから、返事が返ってくるまでに実に10秒もない。
｢わかった。｣
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作者名：ゆき
| 作成日時：2020年4月25日 11時
