【呪術廻戦】双子の弟がいるとか聞いてない。【両面宿儺】

ナシだよ ページ26

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知り合いの名前を思いもよらぬ場所で聞いた事への驚きと、その後に続く内容に私は思わず足を止めた。

宿儺を……？シめる？

一瞬。本当に一瞬宿儺が三人に襲われてピエンしてる絵面が脳裏に過ったが、頭の中の宿儺がそんな訳ないだろうとそれを一刀両断した。


今のところどちらかと言えばこの人達の方が心配である。返り討ちに合うのは目に見えているし。






｢俺さー、前に彼奴に警察突き出されてよ｣

｢あ！わかる！万引きなんて気づかないボンクラな店員が悪いのにさ、意味わかんねぇ。｣

｢そうそう。それで停学食らって？バイトもクビ。｣

｢未来ある若者の可能性潰すなっての｣





ギャハギャハと品の無い笑い声。お粗末な内容。

私はもう呆れて何も言えなかった。はなから言う気もないけれど。



……まあ、詰まりはこの人達も前のあの人達のように素晴らしいほどの逆恨みだ。
うちの学校にもこういう人っているんだなあ、とどこか他人事に思いながら、止まった足を再び踏み出したのだが。






｢三人でいけば流石に勝てんだろ｣

｢狙い目は後ろからだな｣

｢どっか人目のつかん所に呼び寄せて……｣



……。

……いや、大丈夫。宿儺はそんなに弱くない。三人相手なんて、きっと、






｢武器は？｣

｢エアガン持ってくか｣

｢ばっか、金属バットくらい要るだろ｣




……大、丈




｢頭一発いけば流石にこたえんだろ｣

｢てか彼奴刺しても死ななそうじゃね？｣

｢あー……アリだな｣





……いや、ナシだよ。そこまで行くと話が違う。

刺す？人を？そんなの死ぬに決まってる。しかも話を聞くに、こいつらは多分本気だ。



どうするべきかと周りを見渡す。が、先生は一人も見えない。

宿儺に言おうか……いや、でも結局解決にはならないし。
こういうのって警察に言うべき？……言うべきだよね。そしてこの後先生達に報告して、





｢……あっ、｣




ノートを片手に抱えて、もう片方でスマホを取り出す。……が、思っていたよりも私は焦っていたらしく。

取り出したスマホは、それはそれは盛大に音を立てて地面に滑り落ちたのだ。





｢あ？｣

｢誰だ｣



……しま、った。




不味い。不味い、非常に不味い。

スマホを諦め、逃げ出そうと一歩踏み出した。



が、




｢わっ、……！｣




今度はノートをばらまけてしまい。

無慈悲にも、振り返ったそこには不良達が私を見下ろして立っていたのである。



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