歪愛【平野紫耀】 (ページ6)

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5話ページ6

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お風呂から出て貸してもらった服を着れば、ふわっといい匂いが体を包む。

｢…好きな匂いだ。｣

少しいい気分になりながら出ていけば優しい笑顔でこっちに話しかけてくれて、袖までまくってくれる。

こんなに優しい人に会ったことあるだろうか？
なんて考えてしまう。

風呂に入ってくると言われ、行ってしまった間何してよう。
そう考えながらスマホを見ると、旦那からの連絡。

『出勤先でいいご飯屋さん見つけたよ。今度一緒に来ようね』

そう連絡と写真が送られている。

写真にはディナーが写っているけど、端に見えるのは女の人の右半身…？？

アップにして見てみればぼやけてはいるがグラスには女の人の影が見える。

紫耀｢うっわ、バッチリ写ってるじゃん｣

｢ひっ！｣

紫耀｢うわっ！…もー、急に声出さないでよビックリするなぁ、もー｣

まだ乾ききっていない髪の毛をタオルでガシガシと拭きながら旦那から？と聞かれる

｢うん、いい所があったから今度一緒に行こうって…｣

紫耀｢ふーん…｣

｢…服着てきてよ｣

紫耀｢えー、暑いもんやだ｣

タオルを首に巻いて、冷蔵庫から飲み物を出しては一気に飲んでまた隣に座りながら送られてきた写真を覗き込む

紫耀｢旦那さんさ、思ってもみないだろうね…帰ったら当たり前のようにAが出迎えてくれて、ご飯作ってもらったのに食べなくても怒りもしずにいつも優しいAが、今他の男の家にいて風呂も入ってそいつの服着て一緒にこの写真見てるなんて｣

そう言いながらスマホを私の手から取っては私の頬を撫でて｢ね？｣なんて聞いてくる

あぁ、この表情だ。
なんでも受け止めてくれるかのような、私の思ってることを分かってくれる…この感じが…私を溺れさせて離さない。

逞しい体に手を添えれば冷えてきてしまっていて肌が冷たくなってきてる。

｢服着ないと風邪ひいちゃうよ｣

紫耀｢んー、大丈夫…もうベット行くし｣

スマホを机に置いて、私を抱っこしながら寝室へと向かう。

応えるかのように首に手を回し顔を埋める。

紫耀｢可愛い｣

いつもそう…可愛いって優しいって…嬉しい言葉はくれるけど…1回も『好き』とは言ってくれてことは無い。

これが私たち。