22話 ページ23
･Hirano
あれからご飯を食べて、なんとなーく今なら聞けそうかな？と思いながらどう聞こうかなって思ってたら、
「ごめんね、急に来てもらって…」
なんて謝り始めた。
紫耀「なんで？俺が行くって言ったんだしA悪くないでしょ」
そう言えば、また小さくありがと、と言ってくれる。
「…あのね…愚痴になっちゃうかもしれないけど…聞いて欲しい」
紫耀「ん、なんでも言って？」
そこから泣きながら旦那さんとのことを話してくれた。
紫耀「旦那さんは稼いできてるかもしれないけど、稼ぐためにもさ自分の体がいちばん大切なわけであって、その体をAがしっかり維持してあげてるって言うのが分かってないのかな…朝起こしてくれて、服もカバンも用意してくれて…ご飯も作ってくれて、帰ってきたらお風呂が湧いてて、片付けもご飯も用意してくれて…旦那さんは働いてるだけなのに…Aの方が仕事もして家事もしていちばん大変なのに…」
そう言いながら涙を脱ぐってやってると、頬を寄せながら、そう言ってくれるのは紫耀くんくらいだよ。なんて言われる
紫耀「そ？他の男の人も思わなきゃいけないんだよ。やってくれて当たり前…なんてそんな都合のいい女の人がいていいわけない」
どうする？俺ん家くる？
そう聞けば、いつもなら旦那さんが…って言うAだけど
「…迷惑じゃなければ…行きたい…です」
紫耀「ふは、だから、毎回俺が誘ってるのに迷惑とか思わないから」
上着と家の鍵を持たせて、旦那さん向けに置き手紙をしてから家を出た。
『少し頭を冷やしてきます…明日には帰ります』
「なんかA大胆になったね」
「なにが？」
「だって、いままでだったら旦那さんが帰ってくる時には絶対家にいたじゃん」
「…だって、もう無理ってなっちゃったもん」
「無理ってなったら、逃げたくなったらいつでも来ていいよ」
「…甘えちゃうからだめ」
「甘えて欲しいから言ったんだけどな」
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作者名：優希
| 作成日時：2023年1月3日 14時
