【REBORN】雪の灯火part2 (ページ3)

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42話ページ3

『はあ…はあ…』

「次！！！」

『…っはい！』

剣と剣がぶつかり合う

スクさんの剣撃はひどく重い

受け流すようにして間合いを取り、鋭い突きを放つ

教わっている時、そして今のような実践の最中
スクさんの癖や動きを記憶し、微かな綻びをついていく

しかしそれを上回るようにスクさんも容赦のない攻撃を仕掛けてくる

「ゔぉおい！！そんなもんじゃねえはずだぞおぉお！！」

『っ！！』

横に薙ぎ払うように振られた剣を体をしならせて躱す

そのまま片手をつきバク転の要領で蹴りを放つ

それを避けられ再び間合いを取る

肩で息をしながら次の攻撃に備える

しばらく緊迫した空気が流れたが、スクさんがフッと笑ったのを皮切りに場の空気が少しずつ和らいでいく

「よし、ここまでだあ」

『はあ……』

糸が切れたようにその場に座り込む

スクさんから放たれる雰囲気は命の駆け引きを思わせるようなものだった

故に本気で挑み本気で躱さなければ一瞬にして命を狩られると、そう思った

未だ動けない私にスクさんが近寄る

「まさかこの短時間でここまで上達するとは思わなかったぞお」

『あ、ありがとうございます』

スクさんは私の腕を掴み持ち上げる

「次はてめえがやっていたという薙刀と勝負だ」

なんて、恍惚な表情だろう

まるで獲物を狙う鮫のようだ

私は息を呑みつつも頷く

『はい！稽古、し直しておきますね！』

余談だが、小鹿のように足が震えていた私をスクさんが引きずってダイニングまで連れて行ってくださった

～・～・～

『ふぅ…』

お風呂に入り、寝間着に着替えた私はスクさんから頂いたレイピアの手入れをしていた

稽古中は余裕がなくてあまりじっくりと見ることができなかったが、よく見ると装飾なども細かく刀身もとても綺麗だ

刃元の装飾部分には銀とスカイブルーの石が彩られている

スクさんにこのレイピアはどうしたのかと聞いたところ、このヴァリアー城内に保管されていたそうだ

一体元は誰の所有物だったのだろう

首を捻るも答えには辿り着きそうにはない

明日、少し調べてみようと布団に潜り込む

瞳を閉じれば疲れていたのかすぐに意識が夢の中へと沈んでいく

そしてその夜、私は不思議な夢を見た