2話 ページ4
沢田さんに連れられるがままお城の中に入っていく
年季の入った建物だが、内装はとても美しく一瞬にしておとぎ話の中に入ってしまったかのようだった
しばらく歩くと沢田さんは一つの大きな扉の前で立ち止まった
コンコン
「9代目、私です」
「どうぞ」
「失礼いたします」
沢田さんが扉を開けると部屋の中にいたのは、優しげな顔をした老大人だった
「9代目、彼女をお連れいたしました」
「ほう、その子が…」
沢田さんの後ろにいるような形だった私は、おずおずと前に出る
『は、初めまして、冬園Aと申します…！』
バッと勢いよくお辞儀をすると、9代目と呼ばれていた方が少しだけ笑うのが気配でわかった
「顔をおあげなさい、Aさん」
ゆっくりと顔を上げると九代目はニコニコと笑っていた
「さあ、中へお入りなさい。家光も」
「はい」
『し、失礼いたします』
促されるままに沢田さんに続くように、部屋の中へと足を踏み入れる
1人で居るには大きすぎる部屋は、隅から隅まで気品に溢れている
絨毯でさえ靴越しにわかるほどフカフカだ
客人用のソファを勧められ腰をかける
「…さて、早速で申し訳ないがAさん。君に話さなければならないことがあるんだ。聞いてくれるかい？」
9代目の暖かな瞳は真っ直ぐと私を射抜き、まるで全てを見透かされるような気がする
私は拳をギュッと握りしめ、頷いた
〜・〜・〜
「＿これが、真実だよ」
(まさか、お父さんとお母さんがイタリアンマフィアでしたとは…)
9代目のの話はかなり突飛だったが、すべて理解するのにそうそう時間はかからなかった
イタリアンマフィアであるボンゴレファミリーのこと
そのボスが9代目であること
CEDEFという門外顧問組織のこと
そして、CEDEFに所属していた両親のこと＿
「柊伍と湖白を守りきれなかった。俺の責任だ。Aちゃん、すまなかった」
沢田さんが私に向けて深く頭を下げる
私は慌てて手を振る
『そんな！顔を上げてください沢田さん！』
渋々と顔を上げた沢田さんに私は微笑む
『沢田さんの責任ではありません。むしろ、感謝しています。父も母もこんなに愛されて、幸せ者だと思います。』
「ありがとう、Aちゃん」
(きっと沢田さんは素敵な上司の方だったんでしょうね、お父さん、お母さん)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 157人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海波(プロフ) - Lemonadeさん» ご許可いただきありがとうございます！！作品の方頑張って展開していきますね！この度は本当にありがとうございました！ (2019年7月4日 0時) (
レス) id: c1dcc8993b (このIDを非表示/違反報告)
Lemonade(プロフ) - やり方が分からなくて不安でしたが無事見ていただけて良かったです！本当ですか？！是非よろしくお願いします！これからも作品を楽しみにしています！ (2019年7月3日 19時) (レス) id: 242d92c946 (このIDを非表示/違反報告)
海波(プロフ) - Lemonadeさん» わわ！！イラストありがとうございます！！めっちゃくちゃかわいいですね！？！？優しげな青い目！イメージ通りです(T ^ T)もしLemonadeさんがよろしければ、作品の方で紹介させていただいてもよろしいでしょうか？ (2019年7月3日 0時) (レス) id: c1dcc8993b (このIDを非表示/違反報告)
Lemonade(プロフ) - 主人公ちゃんが可愛くて想像で描いてみました！http://uranai.nosv.org/uploader/common/a/6/8/a6871613ed38166c9696639f2820355b.jpeg (2019年7月3日 0時) (レス) id: 8e4b5ba485 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海波 | 作成日時：2019年6月21日 16時
