5話 ページ8
サンジside
絶対におかしい、Aに限っては有り得ねぇ
Aはナミさんやロビンの声を拾わなかったことはねぇし、
そもそもあいつは地獄耳程に音を拾う
ましてやあのアホ剣士の声すら無視するとは…
まあ、あのアホがAになんかしてたら別だが
怒ってたり機嫌が悪かったとしても、
自分の内で消化して周りに見せないような奴がだ…
キッチンを出たAを追いかけて行く
…？格納庫になんか用なのか？部屋じゃなくて？
扉の窓から中を覗けば、小さな樽に座って
目を閉じているAが見える
…やってみる価値はある
バンッ！！
大きめの音を立てて扉を開く…変化はない
ｻﾝｼﾞ「おい！A！！」
大きめの声で呼びかけてみる…変化はない
考えていた仮説がいよいよ現実味を増してくる…
ｻﾝｼﾞ「おい！A！！」
肩を強く揺すると、ビクッと目を開くA…
嫌な予感ってのはよく当たるもんだ…
ｻﾝｼﾞ「お前、耳、聞こえてないだろ？」
少しジェスチャーを交えながら質問する
俺と真っ直ぐ目を合わせた後、
小さくため息を零して、ゆっくりと頷いた
その後さらに、驚くことを言い出したA
『"声も、出ない"』
ｻﾝｼﾞ「は！？あの島で何があったんだよ！？」
『、？…！？』
早口で話したせいで追いついてないのか、
混乱した顔をするA…
くっそ…！聞こえてねぇってのは問題だろ…！！
とりあえず全員に説明するために、
Aの腕を引っ張って再びキッチンへ戻る
皆に、何らかの理由で、
Aの耳が聞こえていないこと、
声も出せなくなっていることを伝えると
驚愕、原因追求、困惑…反応は様々だった
ﾅﾐ「サンジくん！Aの耳が聞こえないし
話せないってどういうこと！？原因はなんなの！？」
ｻﾝｼﾞ「俺もそれは聞いてないんだ
説明を聞こうにも、話せないんじゃどうにも…」
すると、部屋に走って戻り、
紙と羽根ペンを持ってきたA
紙に書かれた紙を見せられる
"見聞色である程度聞こえはする
質問には紙で答える、それでいい？"
ﾅﾐ「分かったわ！1つずつ聞いていくから、
ちゃんと答えるのよ？」
『…』ｺｸﾝ
大々的な事情聴取が始まった…
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年4月5日 1時
