3話 ページ35
貴方side
昨日の船番は特に異常はなし
夕方には出るので、出航の準備を先に終える
サンジに頼まれたので、今日も大人しく船に残る
船にいたとて、筋トレや基礎練など…
やることは山のようにある
ただ、サンジが僕に船番を頼むことは珍しい
そこだけが少し気になっている…
『あ…唖闇が』
素振りをしようとして気づいた、刃先の小さな錆
自分で磨くのにも、やはり限界はあるようだ
今から走れば出航には間に合う…
でもサンジの言葉も気にかかる…
僕がこの島に降りる事を避けたいように見えた
生憎、勘は鈍いほうじゃない
サンジは、僕がこの島に
降りないようにしていることは分かってる…
ただ次の島まで刀の錆を残しておくのも…
ｳｿｯﾌﾟ「A〜！異常はないか〜！？」
『ウソップ！問題ないよ〜！』
ﾁｮｯﾊﾟｰ「A昨日も船番だっただろ〜？
俺代わるから見てきてもいいぞ〜！！」
どうしよう…せめてサンジがいれば…
チョッパー1人に任せるのも不安だしな…
ﾛﾋﾞﾝ「行ってきたら？私も残るわ」
『本当？…じゃあウソップ借りていい？』
ﾛﾋﾞﾝ「ええ」
『ありがと、ウソップ！ちょっと付き合って！』
ｳｿｯﾌﾟ「俺が！？」
船を飛び降りて今しがた戻ってきたばかりの
ウソップを掴み、踵返しで街へ走る
『ちょっと鍛冶屋付き合って！』
ｳｿｯﾌﾟ「別にゾロじゃあるめぇし、
お前一人でも十分だろ！？」
『…何となくね』
どうしてサンジはあんな言い方をしたのか
何故直接僕に言わなかったのか…言えなかったのか
疑問に思いながら鍛冶屋で唖闇を預ける
店の近くで1時間程時間を潰し、刀を受け取る
もうすぐ昼時だな…
『ウソップ、付き合ってくれたお礼に昼奢る』
ｳｿｯﾌﾟ「おぉ…！ナミと違って優しいな…！！」
『僕がどう見えてるわけ…』
ｳｿｯﾌﾟ「あの船には魔女ばっかだと思ってたぜ！」
『…誰かさんも言ってたな…ﾊｧ…』
適当に店に入って腹ごしらえを済ませる
久しぶりにシチュー食べたな…
今度サンジにリクエストしておこう
お互いに感想を述べながら帰路を歩く
すると、ウソップが進行方向を真っ直ぐ指さす
見覚えのある緑と金の頭…
『ゾロとサンジじゃん、仲良しだな』
ｿﾞﾛ「おー、A！降りたのか？」
ｻﾝｼﾞ「A…！危な…」
僕の足にナイフが貫かれた
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年4月5日 1時
