6話 ページ30
貴方side
まぁ、こんだけ顔が割れてりゃそうなるかと、
特に驚きもせずに肯定する…意外だったのはその後だ
店主「いや驚いた！こりゃ大物に出会ったな！
まさかあんな高額賞金首の剣士が、
こんなに若い姉ちゃんだったとはな！」
『あら、私海賊よ？怖くないの？』
店主「ウチには海賊なんてザラに来るわ！
暴れようもんならとっ捕まえるが？」
『いいえ、結構よ…今夜は飲みに来ただけなの
それに…さっきの話だけど、
私は別に大した剣士じゃないわ』
「何言ってんだお前…
海軍船ぶった斬っといてよく言うぜ…」
店主「いらっしゃい！
今度は兄ちゃんか！何にする？」
『ゾロ、待ちくたびれたわ』
ｿﾞﾛ「てめぇその話し方やめろってんだ…」
店主「もしかして、姉ちゃんの男はこいつかい！？」
ｿﾞﾛ「…A、またお前余計なことを…」
『ええそうよ店主さん、カッコイイでしょ？
いいじゃない、偽る必要はないでしょ？』
ｿﾞﾛ「…とりあえずおっさん！
こいつと飲み勝負するんだ！酒貰えるか？」
店主もようやく待っていた理由に合点がいったようだ
コトッと置かれた2つのグラス
店主が持ってきたのは度数の低いビール…
こんなんじゃ、ゾロは酔わないなぁ…
『店主さん！もう少し度数の高いお酒ある？』
ｿﾞﾛ「おれァそんなん何倍呑んでも酔わねぇよ」
店主「とんだ酒豪が来たもんだ…！」
どうやらここの店は度数に合わせて
棚に並べる酒を変えているらしい
1番上の棚から出してきたのは見たことない酒…
ワインでも、ウイスキーでもない…
かといって焼酎とか、そういう類でもないと思う…
『見たことないお酒ね…これは何？』
店主「こいつぁ東から来た秘酒さ！
度数はかなり高いらしくてな！
どんな酒豪も1、2杯で酔っちまうらしい」
ｿﾞﾛ「へぇ…おもしれぇ、1杯貰おうか」
『本当にこれで張り合うつもり…？』
ｿﾞﾛ「ビビってんのか？
俺は別にこれじゃなくてもいいんだぜ？
Aが俺より酒に強え訳ねぇもんなぁ？」ﾆﾔｯ
『ﾑｶｯ…！…上等、後悔しろ』ﾆﾔｯ
「『勝負だ！』」
お互いのグラスを持ち、乾杯して喉に流し込む
…確かに喉の奥が熱い…
今までのどの酒よりも強いと思う…
何杯目までいけるか、正直不安ではあった…
ゾロとの勝負よりも、次の日に響かないか…
だんだんとそれを考え始めてしまった…
1杯目のグラスは、お互い空になった
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年4月5日 1時
