9話 ページ12
貴方side
集中していると時間の流れは早く感じる
それは今日も例外じゃなくて…
ﾛﾋﾞﾝ「"あら、もう日が沈むのね"」ｽｽｯ
『"そうだね、ロビン…手話早くなったね"』ｽｽｯ
ﾛﾋﾞﾝ「"秘密の会話みたいで楽しいからかしら"」ｽｽｯ
『"使える人も少ないしね
ロビンと秘密の話する時は手話にしよ！"』ｽｽｯ
ﾛﾋﾞﾝ「"そうしましょ"」ｽｽｯ
ロビンはふと、この山の位置を思い出す
船は反対側、ここからかなり時間がかかる…
そんな様子を察してか、
Aがクスクスと笑って文字を並べる
『"心配しなくても、僕の能力で送るよ
でも、船の手前くらいで下ろすから、
僕といた事は内緒ね？"』ｽｽｯ
ﾛﾋﾞﾝ「"ﾌﾌｯ…分かったわ"」ｽｽｯ
滝の水を操り、ロビンを乗せるよう造形する
『"お姉様には、空飛ぶ絨毯がお似合いです"』ｽｽｯ
ﾛﾋﾞﾝ「"水で出来た絨毯も素敵ね"」ｽｽｯ
『"お相手、有難う御座いました
お気をつけておかえり下さい"』ｽｽｯ
ﾛﾋﾞﾝ「"ｸｽｯ…A、コックさんみたいね
ありがとう、楽しかったわ"」ｽｽｯ
ロビンを船の手前で下ろし、
操っていた水を山まで戻すと、再び造形する
造ってみたのは刀…
向こう側が透けて見える水色の刀…悪くない
夜になってもトレーニングは終わらない…
今から活発的になる山の動物に備えて
覇気を巡らせる必要がある
お陰で食料には困らないし、対戦相手にも申し分ない
ガサガサ…
…どうやら今日の食卓には鹿肉が並びそうだ
刀を使わず、体術だけでどうにかしよう…
あの時は刀振り回すのに精一杯だったなぁ…
昔のサバイバル生活を懐かしみながら、
鹿肉を切り出し、焼きながら食す
山の生活3日目にして、
サンジの料理が恋しくなってきたわ…
風呂の代わりに2時間ほど滝に当たって
イメージトレーニングをする
寝る時は自分の周りを凝固させてしまえば
動物に襲われる心配も無い
明日は何をしようか…何を身につけようか…
有限の時間の中でプランを詰め込みながら
湧き上がる楽しさを感じる
今よりも更に強く…もっと強くなるために…
腹の底を押し上げるような向上欲を押さえつけ、
明日が楽しみな子供のように目を閉じた
さぁ、明日はどんな一日になるだろうか…
そんな事を考えながら、
僕は静まっていく山の中で意識を沈めた…
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作者名：白銀幸成 | 作成日時：2020年4月5日 1時
