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私は必死に謝った。おばあちゃんが怒ったらまたお母さんの所へと連れ戻されるかもしれない。そんな気がしたからだ。
でも、おばあちゃんは怒らなかった。むしろ…
喜んでいた。
『Aちゃん!良くやったわ!偉いわね!!』
「え……?」
『この調子で残り二匹も大事に飼育するのよ!いいわね?』
「で、でもおばあちゃん!カエルはもういいの…?私、逃がしちゃったのに…」
『もうカエル"なんか"気にしなくていいんだよ。Aちゃんはムカデとヘビだけ気にしてればいいんだよ。分かったね?』
「う、うん…」
有無を言わせない圧力だった。
私はただ言われるがままムカデとヘビを大事に飼育した。
そして数日経った時だった。
「む、ムカデが居ない…っ」
また、また逃がしてしまった!!次こそはおばあちゃんに怒られるかもしれない!
「どこ…?どこに行ったの…っ!?」
カエルが居なくなった時みたいに部屋中を探した。
でも…見つからない。窓は空いていない。ドアなんて開けてもいない。
この部屋の中に絶対に居るはずなのに見つからない。
頭が真っ白になって泣きそうな時にドアが開いた。
『あらAちゃんどうしたの?もう朝ご飯の時間ですよ』
「お、おばあちゃん…」
『そんな泣きそうな顔してどうしたの?何かあった?』
おばあちゃんはそう言い私を抱き締め優しく頭を撫でた。
「怒らないで…おばあちゃん!私ほんとに大事に育てていたの!ホントに!でも…でも朝起きたらまた…!」
『………もしかして、一匹居なくなったのかな?』
「ゴメンなさい…!ちゃんと残りの一匹は飼育するから!!ゴメンなさい…ゴメンなさい!」
私はまた必死になって謝った。
するとおばあちゃんは私を力強く抱き締めてこう言った。
『よく、良くやったよAちゃん!!!』
「え………」
『一匹…一匹しか残ってないんだね?』
「う、うん…」
『ホントだね?嘘ついてないだろうね」
「ホントだよ!!嘘なんかついてない!ほら…!ちゃんとヘビが残ってるよ!」
私は虫かごのようなものをおばあちゃんに見せた。
中にはヘビが居る。
おばあちゃんはヘビが居るのを確認した瞬間、また私を力強く抱き締めた。
『あぁ…っ!ほんとによくやったよAちゃん!やっぱりAちゃんには才能がある!!まさかヘビが残るなんて…!
早速報告しに行かないと。Aちゃん。ちょっとここで待っててね』
「うん…分かった」
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みかん飴(プロフ) - うさぎを必死に覚えようとしている夢主ちゃんにノックアウトして思わずコメントを、、、いつも楽しく読ませて貰っています!無理しない程度に更新頑張ってください!! (2020年12月4日 22時) (レス) id: 692c18fb1a (このIDを非表示/違反報告)
蒼空麗(プロフ) - 最高です・・・!最高・・・†┏┛墓┗┓† (2020年11月22日 14時) (レス) id: 276da92bd9 (このIDを非表示/違反報告)
らぴ(プロフ) - kazu-mochiさん» 感想ありがとうございます(TT)面白いと言って貰えてとても嬉しいです!更新速度はとてもゆっくりですが最後まで閲覧して下さると嬉しいです。kazu様もお体には気をつけてください。 (2020年11月15日 22時) (レス) id: 3bce2f1a09 (このIDを非表示/違反報告)
シズク - めちゃくちゃ面白いです!!!!一気読みしちゃいました!更新楽しみに待ってます! (2020年11月14日 23時) (レス) id: 71a40c346c (このIDを非表示/違反報告)
kazu-mochi(プロフ) - 夏油さんの小説初めて読ませて頂きました!設定がしっかりしていてとても面白いです!これからも体調などには気をつけて下さいね。応援してます!! (2020年11月14日 11時) (レス) id: 2505b4e935 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴ | 作成日時:2020年11月12日 20時