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「ほ、んと……?ずっと、一緒…?」
夏油「あぁ、本当だよ」
もう
その事実がとても嬉しくて、涙がさらに溢れた。
夏油さんは泣いている私の頭を優しく撫でてくれた。
わたしは、知らなかった。
その時夏油さんの顔が、満足気に微笑んでいたことなんて。
*
家入「…あーあ、クズに捕まっちゃって可哀想」
家入はそう言いタバコを咥えライターで火をつける。
その横にはダルそうにポケットに手を突っ込み立っている五条がいる。
五条「タバコ吸うなよここで」
家入「別にいーじゃん。てか夏油相当お気に入りなんだね、Aの事。会って1日も経ってないのにさ」
五条「
家入「は?」
五条「10歳ぐらいの時に一目惚れしたんだってよ。まぁ、向こうは覚えてねぇみたいだけど。
傑が言うには記憶が改善されてるらしい」
家入「振り向いて欲しくて必死じゃん、夏油。ウケる」
あははと大きな口を開けて笑う家入に、五条もつられて笑った。
*
夏油「少し落ち着いたかな?」
こくんと頷くと顔を優しく掴まれて夏油さんと目を合わせられた。
こんな近い距離で真っ直ぐと夏油さんの、顔を見るのははじめてで、恥ずかしい。
夏油さんはまた、優しく微笑み私の涙を親指で拭った。
夏油「…擦り過ぎて目が赤くなっちゃってる。硝子か悟に冷やせる物を買ってきてもらおう。
せっかく初めてのお出掛けなんだからね」
「おでかけ…?どこに…?」
夏油「あ、言ってなかったっけ。
今からショッピングモールに行くんだよ。結構大きめの」
「…しょっぴんぐ…もーる?」
夏油「うん、そう。ショッピングモール。色んなものが買えるところ」
ショッピングモール。聞いたことはあったけれど当然、行ったことなんてない。
一度、まだ私がお母さん達と住んでいた頃にテレビでショッピングモールの紹介をしていたのを見た事がある。
当然目を盗んで部屋から出た為とても怒られたけれど。
見るからにテレビに映っている人達はとても楽しそうだった。
今からショッピングモールに行くんだ…!!
あの、楽しそうな場所に!
「……楽しみ!」
今自分が出来る精一杯の笑顔でそう言った。
すると、
夏油「そうだね、楽しみだね」
と笑顔で返してくれた。
夏油さんも、一緒だから、楽しみ
とはちょっと恥ずかしくて言えなかった。
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みかん飴(プロフ) - うさぎを必死に覚えようとしている夢主ちゃんにノックアウトして思わずコメントを、、、いつも楽しく読ませて貰っています!無理しない程度に更新頑張ってください!! (2020年12月4日 22時) (レス) id: 692c18fb1a (このIDを非表示/違反報告)
蒼空麗(プロフ) - 最高です・・・!最高・・・†┏┛墓┗┓† (2020年11月22日 14時) (レス) id: 276da92bd9 (このIDを非表示/違反報告)
らぴ(プロフ) - kazu-mochiさん» 感想ありがとうございます(TT)面白いと言って貰えてとても嬉しいです!更新速度はとてもゆっくりですが最後まで閲覧して下さると嬉しいです。kazu様もお体には気をつけてください。 (2020年11月15日 22時) (レス) id: 3bce2f1a09 (このIDを非表示/違反報告)
シズク - めちゃくちゃ面白いです!!!!一気読みしちゃいました!更新楽しみに待ってます! (2020年11月14日 23時) (レス) id: 71a40c346c (このIDを非表示/違反報告)
kazu-mochi(プロフ) - 夏油さんの小説初めて読ませて頂きました!設定がしっかりしていてとても面白いです!これからも体調などには気をつけて下さいね。応援してます!! (2020年11月14日 11時) (レス) id: 2505b4e935 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らぴ | 作成日時:2020年11月12日 20時