10 ページ10
席に着けてほっとしたのもつかの間で、教室に二口くんが入ってきた。
私の時と同じようにクラスの人達は二口くんを取り囲む。
『Aと付き合ったってマジ?』
『どっちから告白したの?』
『どうやって脅されたの?大丈夫?』
………質問攻めだ。
二口くんは私の方をちらっと見たけどすぐに視線を逸らした。
いや、ちらっと見ただけではない。
…睨まれた、気がした。
二口「俺とAが付き合ってたら悪いのかよ」
「えっ…」
二口「俺が好きで付き合ってんの。だから部外者は黙ってろ」
二口くんはそう言うと私の席の前に立った。
私は顔を上げて、聞こえるか聞こえないか分からない声の大きさで
「…ありがとう」
そう言った。
二口「…あぁ」
…ほんとわざとやってるのが分からないけれど優しく頭を撫でるのは狡いと思う。
ほんとは、彼女(仮)なのに。
私が二口くんを本気で好きになるのは何日後だろうか。
*
可憐「…で、全部話してもらうよA」
「分かってるよ!…ここじゃダメだから…空き教室行かない?」
可憐「了解」
お昼時間、お弁当を持って私と可憐は空き教室へと向かった。
可憐「たしか…ここ空いてたはず」
「あ、雑用係で来たことある」
色んなガラクタ等があり、正直言ってあまり長居はしたくない。
私はできるだけ手短に二口くんと私の関係を伝えた。
「というわけで、彼女(仮)になりました」
可憐「ごめん。頭が追いつかない」
「うん、だよね。分かってた」
可憐「え、取り敢えずほんとに二口と付き合ってるわけではないんだよね?」
「…まぁ、うん」
この関係は、すぐに終わるもの。
どちらかが「終了」そう言えば明日にはもうただのクラスメイトだ。
可憐「一つ、約束して。朝みたいな事があったらすぐに私に言うこと。いいね?」
「え?あ、うん。分かった」
可憐「……一人で溜め込んだら許さないから」
「うん。ありがとう可憐」
わたし、ほんとに良い友達を持ったなぁ。
それから可憐とお弁当を食べて空き教室を後にした。
空き教室を出た時、二口くんにばったりと会ってしまった。
可憐「あー…ちょうど良かった。二口、ちょっと話がある」
二口「は?話?」
可憐「Aごめん。先行ってて?」
「?うん、わかった」
……二口くんに話ってなんだろう?
変なこと言わないといいけど…
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←09
136人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬん - 早く読みたい!!!がんばってください! (2020年6月8日 0時) (レス) id: a1b0716c34 (このIDを非表示/違反報告)
らぴ(プロフ) - きつねさん» コメントありがとうございます(TT)そう言ってもらえてとても嬉しいです!!更新速度はとても遅いですが気長に待って頂けると嬉しいです。 (2020年4月12日 23時) (レス) id: 3bce2f1a09 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - コメント失礼します!この小説すごくキュンキュンしました!!二口はかっこいい、、、、推しをこんなかっこよくしてくれてありがとうございます!(?)主さんの二口すごく素敵です!これからも楽しみにしてます!! (2020年4月11日 23時) (レス) id: 83bac206de (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:らぴ | 作成日時:2020年3月24日 21時