黒 の 彼 女 ７

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静まり返った楽屋内

なにを話せばいいのかわからなくて
戸惑っていた時、ガチャっとテレビの中から聞こえ
視線を戻せば、目黒とAが部屋に帰ってきた


"『 蓮、髪の毛乾かして？ 』"

"蓮「 じゃあ俺のも乾かしてよ 」"

"『 うん、！ 』"


ドライヤーを持って幸せそうに微笑む2人

だけどいまは、……


『 も、やだっ 』

蓮「 大丈夫 」


恐怖に包まれていた

女の人だからストーカー行為はあるかもしれない
実際Aは、過去に関西で1度だけストーカー被害にあってる

だから、翔太と同居することになったのに…。


"『 今日は、だめ 』"

"蓮「 えぇ、なんで？ 」"

"『 お兄に、ガチで出禁されるよ？ 』"

"蓮「 それは勘弁 」"

"『 じゃあおやすみ 』"

"蓮「 おやすみのちゅーくらいしてよ 」"

"『 はいはい 』"


ちゅっ。とリップ音が響いたビデオ

2人で抱きしめ合いながら眠りについたのだが…、
ゆっくりと開くクローゼット

カメラに近づいてきた男は
ずーっとボソボソ言っていて、リモコンを持っていた翔太が少しだけ音量をあげた

そこから聞こえてきたのは、、


"「 なんで目黒なんだよ
なんで僕じゃないんだ、Aちゃんぼくのこと好きでしょ
だったら、目黒じゃなくて僕にしなよ 」"

"「 Aちゃんは、僕の隣にいるのがいちばん可愛いんだ
目黒じゃない、この僕だ

……気づいて 」"


カメラを持って、再びクローゼットの中に入った男の人

"気づいて"
その言葉を残し、ビデオは終わった


「「「「「「「「 …… 」」」」」」」」


長い沈黙が流れる

いつもうるさい佐久間も康二も目に涙をうかべ
Aを心配そうに見ている

ラウールは、ふっかに抱きつきながら
少し肩を震わせていて
Aに関しては、子供のように涙を流していた


深澤「 ……とりあえず、これ警察に提出するか 」

翔太「 …俺、マネージャーのところに行ってくるわ 」

蓮「 俺も行きます 」

『 やだ、っれんくんっ 』


力なく目黒の服を握ったA

"蓮くん"
そう呼ぶ時は、拗ねてる時か本当にそばにいて欲しい時

少し困ったように笑った目黒と翔太
俺はそっと口を開き


阿部「 ……3人で行ってきなよ
Aもそうしたら、心強いでしょ？ 」

照「 …そうだな 」

深澤「 マネージャーにちゃんと話してこいよ 」

ラウール「 3人とも早く帰ってきてね 」


まだ泣いてるAの右手を翔太
左手を目黒が握り、3人で楽屋を出ていった

再び流れる沈黙
どうすることも無くただただ時間が過ぎていった








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