雨降りコンビ【名探偵コナン】 (ページ8)

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ポアロでページ8

「はぁ！？どういう事だ！？」

静かな店内に降谷の声が響き渡る。

思わず大声を上げた降谷は、焦って店内を見渡すが、時間帯が時間帯なだけに、客はAだけだった。

「だから、片目だけ見られちゃったんだって。」

不慮の事故だよ、事故。そう言ってのける彼女をみて、はぁ、と降谷はため息をついた。

「なんで見られる羽目になったんだ…」

「口調が零になってるよ？」と一応注意をしつつも、そこに至るまでの経緯を話し出した。

全て話し終えると、降谷は再びため息をつく。

と、丁度その時、カランカランというドアベルの軽快な音と共に、客が入ってきた。

「いらっしゃいませ。」

瞬時に“安室透“の顔に変わる降谷を、カウンター席からちらりと見上げる。

「珍しいですね、こんな時間帯に。」

気軽に話しかけているあたり、常連さんかな、と考えながらも、熱い珈琲を口にした。

「そうなんです。遅めの朝ごはんなんですよー、ねっ、コナン君？」

「あっ、あぁ、うん………」

うわの空で生返事をしたコナンの意識は、完全にAの方に向いている。

(やっと見つけたぜ……)

幸いにも、Aは自分に気づいていない。

蘭が「お手洗い行ってくるね。」と席を立ったタイミングを見計らって、コナンは安室に声をかけた。

「安室さん。ちょっと………」

腕を引っ張り、店の外へと連れ出す。

「今、お店の中にいるあの女の人…組織の人なの？」

不思議そうにしていた安室は、「あぁ、彼女なら…」と言って、ポアロの扉を開け、「雪乃」と名前を呼んだ。

「どうしたの…っ、」

植え込みが邪魔で見えていなかったコナンの姿を確認すると、彼女は愕然とした表情になる。

Aが何か言いかけるよりも早く、安室が口を開く。

「彼女も、公安警察なんだ。」

Aは再び目を見張る。が、彼女は頭の中で瞬時に推理し、一つの仮説にたどり着いた。

それを検証すべく、コナンと向き合い、質問を口にする。

「コナン君は、組織のことを知っているの？」