救出 ページ36
持ち前の身軽さを生かし、側壁をヒョイヒョイっと登って行く。
そして2階の柵を掴むとふわりと反対側に降り立った。
だがまだ安心は出来ない。
Aは気持ちを引き締め、最大限の良く通る声で「ゆうくーん」と呼びかけた。
潜入捜査時の女優業で培われた、圧倒的な声量で辺りの空気を震わせる。
それから程なくして、小さな少年がドアの外から顔を覗かせた。
Aはほっと息をつくと、安心させるようににっこり微笑んだ。
「ゆうくん、だよね？そこは危ないから、こっちおいで。」
くいくいっと手招きすると、ようやく少年はAへと駆け寄った。
「ぼく、おひるねしてたの。ママに、おるすばんって言われたよ。」
なにかあったの？と、不安そうな面持ちで問いかける。
「そっか、えらい！いい子で待ってたんだね。
でも、あまり時間がないの。お姉さんと一緒に、来てくれる？」
未だに状況を理解しきれていない少年は、戸惑いながらもこくりと頷いた。
「っじゃあ、いくよ、ゆうくん。
大丈夫。絶対助けるからね。」
Aは腕に少年を抱きかかえ、静かに深呼吸した。
もう炎はすぐそばまで来ている。
Aは柵からトンっと足を離した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 444人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆう - あと約一ヶ月でゼロの執行人公開しますね！超楽しみです！ (2018年3月20日 21時) (
レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
スノー(プロフ) - 愛流さん» やっぱり萩原さんも警察学校時代の仲間でしたか…ご指摘ありがとうございます！ (2017年12月3日 17時) (レス) id: 565cacfa1e (このIDを非表示/違反報告)
愛流(プロフ) - 萩原さんはいないのでしょうか？ …>_<… (2017年12月3日 12時) (レス) id: 0e1226e354 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃アゲハ(プロフ) - �△鬚�願いします！ (2017年10月10日 17時) (レス) id: 281bb05c26 (このIDを非表示/違反報告)
さーや(プロフ) - �△�いいです！ (2017年10月10日 7時) (レス) id: a8b7ed9872 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スノー | 作成日時：2017年3月10日 23時
