黎明の龍 (ページ12)

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藤ヶ谷side ページ12

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　北山は思っていた以上に警戒心が強かった。

　それも仕方ない。

　どっちかといえば、火龍が戦を仕掛けてるに近いからな。

　だから、中々近寄らせてくれねぇし。

　まさか名前呼ぶのもだめとは思わなかったぜ。

「あぁ～！疲れた！休憩にしようぜ」

「……軟弱」

　どうとでも言え。

　だってよ、お前の方が限界っぽいじゃねぇか。

　旅に慣れてないんだろ。

　それがありありとででるぜ。

　これが五関だったら、こんな強がらねぇのかなぁ？

　他の奴らの安否が気になる中、数日かけて俺と北山はそこに着いた。

　――コンコン。

「すみませ～ん！」

　五関一人だったらどうしようとか心配になりつつ。

　呼びかけてみる。

　――ガチャ。

「誰だ？」

「火龍族の藤ヶ谷太輔です」

「あぁ…五関が言ってた奴ね。入れ」

　説明だけはしといてくれたのか。

　助かる……。

　もしかすると、他にもなにか言ってたのかもしれない。

　横尾はなにも聞かなかった。

　通された部屋で待つこと数分。

　お茶がだされた。

「五関ならもうすぐ着く。水龍を一人連れてるみたいだ」

　それって、北山の弟か？

　よかった。五関と一緒にいたんだな。

「お前達が来てることも伝えといた」

　早いなぁ。

　さすが五関の知り合い。

「鈍感」

「えっ？なにが？」

　俺、なんか変なことしたか？

　ただ茶飲んでるだけなんだが。

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