第99話 ページ49
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戦況は変わり全員が建物の外へと出てきた。
両者一列、対峙していたがそれもすぐ動き出した。
「止まる気ないみたい」
「こっちもだ」
スターク派にヴィジョンも合流し、こちら側が少し優勢だ。しかし勝負のいいところでワンダが邪魔をし、形勢逆転に変わる。
『ここは任せて』
「あっありがとうAさん!」
ワンダの前に立ちはだかるのはもちろんAだ。
「あなたとまた戦ってみたかった…」
『残念ね、私はまた一緒にドライブに行きたいわ。』
「フッ…!!」
体術ではAに勝てないが、間合いをとって技を繰り出すことでワンダは彼女となんとかやり合っていた。
『抵抗をやめなければ、あなたに自由は無くなるのよ』
「じゃあ今のあなたは自由…?」
『どういう、こと?』
「何にも縛られないことを望むあなたがッ…協定にサインするなんて。あなたは知らないうちにスタークにいい様に使われてるだけよ」
赤い光がじわじわとAの体を蝕んでゆき、少しその力に押されている。それを見たワンダは思わず口元を緩めた。
『そういうこと…
惑わす様な言葉を使って、私をマインドコントロールしようって魂胆ね。』
「だから?私は知ってる、あなたは仲間に手を出せない。私にも」
するとAにまとわりついていた緋色のオーラが段々と金色に変わって色が逆流している様に見える。
『手は出せない。だから、手は使わない』
キッとワンダを睨みつけたAの瞳が光り、さっきのオーラがまるで衝撃波の様にワンダを吹き飛ばした。
「っ……」
『ヴィジョン』
ヴィジョンは姿を現すなりワンダを抱きかかえた。
Aはその場から離れて、離陸してしまったクインジェットを追いかけた。
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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時