第９６話 ページ46
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Aはバルコニーで頭を冷やしていた。
そこへスタークが隣に並んで、Aが口を開くまで待った。
『私本当は、トニーがアイアンマンだと知った時とても嫌だったの。あなたが危険な目に遭うと思うと心配で心配で…』
スタークの目元にある真新しいあざが、Aの目に映る。
「僕はもう子供じゃない。責任は自分で取れるし、覚悟だってある。けど彼にはまだ分からないだろう。
じゃあ誰が教える？それは僕らの仕事だ」
どのみちスーパーパワーを持っているのなら今後接触は避けられない。Aと違ってスタークたちの命はそう長くはないのだ、若手を育てる意もあるだろう。
『彼は……ピーター・パーカーって言うんじゃない？』
「やっぱり知ってた」
『クイーンズに帰った時に会ったの。それで名前を見てすぐに分かったわ、トニーと同じで小さい頃に面倒を見たことがあるって。』
「顔は変わっちゃうけど、名前は変わらないから」
成長した姿を思い出してAが少し微笑んだ。一度でも面倒を見た子供の名前を覚えているほど、Aの子供に対する愛情が伺える。
「A、約束する。ピーターの指導は僕が責任を持ってする、間違っても死なせたりはしない。絶対だ」
Aは少し考えた後、静かに頷いた。それを見たスタークは「よし」と彼女を抱きしめて背中を軽く叩いた。和解のハグだ。
「ああ、けど子供の扱いには慣れてないんだ。そこら辺のフォローはキミに任せたいんだけどいいかな？」
『いいわよ。というか最初からそのつもりでしょう』
「なんでもお見通しだな」
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作者名：ゑもん | 作成日時：2023年12月26日 12時
