第95話 ページ45
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『今なんて言ったの?』
「……新しい、仲間だ」
スタークが恐るおそる言ったのは、Aが聞き返したからだった。彼女がたんに聞こえなくて言ったのならまだいいが、確実に聞こえていたような含みのある言い方だった。
しかもそれが圧のある言い方だったので、スタークも少し慎重になった。
『スパイダーマンなんて何者かわからないのに、身内の争いに入れるのは反対だわ。』
「いや素性は分かってる。なんならもう彼の家まで行った」
「で、どんなやつだった?」とスターク派についたローディが言った。
「なに、まだ青臭い少年だ。だけど見込みがある。この僕が言ってるんだ間違いない。14歳と言うのが少し問題だが」
『少しなんてものじゃないでしょう』
珍しくAが呆れ気味にため息をもらした。
そこにナターシャが口を挟む。
「私も反対。」
「キミもか」
「別に1人いなくたって平気でしょ。そこまで事態を大きくするべきじゃない」
「本当にそうか?向こうは超人ばっかりだ。」
「こっちにもいる。Aとティチャラ陛下よ」
スタークは眉間に手を当てて、何かいい説得の言葉を探しているようだった。
「でもキャプテンたちをなんとしてでも止めなくちゃならない。そのためと思えば必要な人材だ。分かるだろ?」
確かにその通りだ。別に彼らが嫌いで対立をするのではない、大切だからこそ今のキャプテンたちを止める必要がある。
黙ったナターシャたち。スタークはそれを肯定と受け止めた。しかしAは同じく眉間に手を当ててその場から離れてしまった。
「A」
「いい、僕が直接話してくる。
……あの様子じゃ例の少年を知っているようだな。」
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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時