断片的な記録2【MCU】 (ページ43)

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第９３話ページ43

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黒い服を身に纏いながら、Aはキッチンにひとり考え事をしながら立っていた。

「A？……大丈夫？」

そこへ、同じくお堅い服を着たナターシャがAに気づいてそばに寄った。2人ともペギーの葬式に赴いた後だった。

『…ええ、大丈夫。少し考え事してて』

今この状況で考えることなど限られてくるが、Aはもともと何を考えているのか他人からすると分からない方が多かったので、他の多くを気負っているのかもしれない。

「よかったら私に話してくれない？親友でしょ」

『ありがとう。
……実はさっき、サムと帰った時に喧嘩したのよ』

「喧嘩？」

『喧嘩というか、サムが怒っちゃって…。私がソコヴィア協定にサインするって言ったから』

それはAもナターシャと同じく協定に同意すると言うことだった。キャプテン側かスターク側で分かれようとしている今、彼女たちはスターク側につくことになる。

『どうして分かってくれないんだって、サム、悲しそうな顔してたの。いつもなら平気なんだけど、大切な人が亡くなったばかりだから少し精神にきてるみたい。』

泣くまでとはいかなくとも、Aの弱った顔を見てナターシャは思わず抱きしめて頭を撫でた。

『それに、みんながバラバラになるのは耐えられない…。アベンジャーズは私の家族のような存在なの。やっと、ひとりじゃなくなったのに』

「私も……みんなが家族。スティーブも他のメンバーも同じ気持ちよ。だから大丈夫、きっと」