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第90話 ページ40






〈最近ニューヨークシティに現れる謎の男。
ネットではスパイダーマンと称して、彼の勇姿を讃える声も上がっています〉




「見ろよピーター、こいつ知ってる?」



「誰それ?知らない。
うわちょっと待って、今壁を登った!?すごい奴だな!」



「だろ?まだYouTubeのネットニュースにしか出てこないけど、新しいヒーローなんじゃないかって言われてる。スーツダサいけど」




ピーターとその親友のネッドがスマホに目を向けながら、彼らの高校へと足を踏み入れる。




〈しかし昨日の話題といえばやはりエージェント・エルがジョンFケネディ空港に現れたことですかね〉



「うおっ、これ知ってる。エルが飛行機近くを飛んでたんだよ。噂だと恋人がその飛行機に乗ってたらしい」



「ネッドは彼女のファンじゃなかったっけ?そんな噂鵜呑みにするの?」



「ピーター、俺だってもう子供じゃない。彼女の幸せは俺の幸せだ。それに彼氏が遠くいった今ならチャンスはある」




ピーターは呆れた様子で彼を見つめた。しかしネッドは気にしない。




〈飛行機と共にフライトを楽しんだ後はクイーンズ上空を旋回し、ブルックリン橋の上で夜景を楽しんでいました〉



〈彼女はアベンジャーズのなかでも唯一顔の割れていない人物ですからね。なかでもエルの写真の顔が毎回違うのは有名な話です〉



〈メディアの前に姿を現すこともあまりないので、これからの活動にも注目がおけそうです〉




すると肩を寄せ合ってスマホを見ていた二人の間を、フラッシュが強引に通った。




「知ってるか?エルがクイーンズに来たのは俺に会うためだ」



「フラッシュに?エルがお前に会うわけないだろ」



「DMでやり取りもしてる。まあ、お前らに見せびらかしたりしないけどな」

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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時

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