第85話 ページ35
.
ウルトロンとの戦いは終わり、アベンジャーズはニューヨークの北部にあるアベンジャーズ・コンパウンドに身を移した。
ピエトロは死亡しハルクは失踪。他にも失ったものはあるものの、ワンダとヴィジョンという強力な味方もできた。ソーも地球を立つと言う。
『旅に出るのね…』
「仕方ない、ノルンの泉で見たものが気になるんだ。キミに寂しそうな顔をされると旅立てないだろう」
「私達もいることを忘れるなよ」
2人だけの雰囲気を出そうとするソーに、スタークがキツく言った。彼だけでなくスティーブも見送りに来ていた。
「やめとけトニー。2人の間柄は流石に僕らとは歴が違いすぎる。でも、寂しくなるよ」
「俺もだ。また会おう」
2人もソーに別れを告げると、最後にまたAのもとにソーが寄った。
「……実は、ノルンの泉で見た映像にキミがいた。」
『私が?』
「意味はよくわからない。
ただ何個かの石が見えて、そのうちの一つと共にキミがいた。最後に不審な気持ちにさせてすまない。俺も悩んだのだが」
『…いいわ、言ってくれてありがとう。
身体には気をつけてね。それからお金は無駄遣いしないこと。あとヘイムダルに迷惑をかけちゃダメよ。それで』
母親のように気にかけるAの言葉を遮るように、ソーが彼女を抱きしめた。
「最後というわけじゃない。心配するな、俺はマイティソーだからな。」
『ソー、大好きよ』
「……俺もだ。」
ソーはAに微笑んで、3人から距離を取るとムジョルニアを上に向けた。それを合図に彼はビフレストで姿を消した。
『芝生の上でやらない方が良かったかも……』
芝生に焼印ができてしまったが、一旦見なかったことにする3人。
「でも寂しくなるな…」
「私が恋しくて泣くんじゃないぞ」
「寂しくなるよ、トニー」
珍しくスタークに対して素直なスティーブに驚く。
『2人はこれからのんびり生活?』
「ああ。君らもそうしろ」
「……どうかな。
家族とか、安定とか……そういうものを求めていた男は氷に埋もれたよ。出てきたのは別人だ」
「…大丈夫か?」
「ここが家だ」
30人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時