第82話 ページ32
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「スタークだと!?その名前を聞くとイライラする!」
「悲しいな、息子よ。パパのハートは割れそうだ。」
南アフリカの廃船場で、ウルトロンはヴィブラニウムを手に入れるために武器商人を訪れていた。しかしアベンジャーズがそれを見逃すはずもなく、スタークによる先制攻撃が始まった。
『気をつけて、他のロボットもいるわ』
「おいおいロボットで片付けるな。アレにはちゃんと僕がつけた名前がある」
ウルトロンの配下となってしまったアイアンレギオンが暴れ回る。船内は狭く、タワーのときのようにAは剣を振り回して戦うことはできない。しかしスタークに作ってもらった小ぶりのソードで敵を倒していった。
『…みんな?』
敵に夢中になっていたAは、周りが不思議と静かなことに違和感を覚えた。無線にも誰も反応しない。
「仲間は私がやった」
通路の奥で、女が緋色の光を纏いながらこちらに歩いてくる。
『……あなた、強化人間のワンダ・マキシモフね。
いまならまだ引き返せる、私と一緒に来て。大丈夫だから』
「あんたたちを信用なんかしない。」
もう目の前のワンダにそれでも優しく語りかける。その時、クリントから「気をつけろ、マインドコントロールする敵がいる。もうみんなやられた」と無線が入った。
今だ、とワンダがその紅いオーラをAに向けた。
「アベンジャーズも、案外弱かったな」
ワンダと双子のピエトロが見えない速度でやってきた。が、ワンダはAに力を向けることをやめない。
「どうしたワンダ」
「ピエトロ逃げて。こいつ、私の力が効いてない…!」
Aは2人の情報を聞いた時から、彼らを気にかけていた。しかし味方になる気は毛頭ないと分かった今は、反撃に出るしかない。
「ワンダここは引こう」
「いいえ嫌よ。
どんなに心の強い人間でも、最後にはいつも私の力に屈する!」
『精神が特別強いわけじゃないわ。
でもそれが分からないうちは…あなたには負けない』
Aの攻撃をなんとか凌ぎつつ、心に入り込もうとするワンダをピエトロは担いで走り出した。
「今ここで時間を割くわけにはいかない!」
「……ごめんなさい。そうね。
もっと大物を狙わないと……」
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作者名:ゑもん | 作成日時:2023年12月26日 12時